卵巣胚細胞性腫瘍の新しい血清学的診断 : 抗高分子糖ペプチド抗体の検出
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概要
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マウス奇形癌細胞株F9細胞の表面上に存在する高分子糖ペプチド(LGP)を抗原とし,卵巣腫瘍愚老血清中のLGPに対する抗体量をFarrのassayにて測定することにより,卵巣悪性胚細胞性腫瘍愚老に特異的なマーカーとなりうるか否かを検討し,以下の結果をえた.1)F9細胞表面上のLGPと反応する抗体(抗LGP抗体)を卵巣腫瘍患者血清188例および正常人血清110例につき検索したところ,dysgerminoma 9例を除く卵巣悪性胚細胞腫瘍14例のうち9例(64%)が陽性を示した.陽性例の内訳は,endodermal sinus tumor(EST)4例,immature teratoma 2例,immature teratoma+EST1例,mature solid teratoma,choriocarcinoma各1例であった.一方,正常非妊婦110例,良性腫瘍111例,悪性腫瘍(胚細胞由来のものを除く)54例はいずれも陰性であった.2)抗LGP抗体価は,治療とともに推移し,腫瘍摘出,化学療法,放射線療法等により減衰し,治療効果および予後判定にも有用な腫瘍マーカーであることが示唆された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-12-01
著者
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
河田 誠
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産婦人科
-
河田 誠
房総婦人科腫瘍グループ
-
桧垣 康二
千葉大学医学部産婦人科学教室
-
桧垣 康二
川崎製鉄千葉病院
-
河田 誠
Jfe川鉄千葉病院
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