ヌードマウス継代人絨毛癌組織の特性について
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概要
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転移性絨毛癌の予後改善を目的として薬剤低抗性を示した人絨毛癌組織をヌードマウスに移植継代し, 実験的化学療法を施行しているが, 今回は移植継代された2種類の絨毛癌組織の特性を検索し, 以下の結果を得た.1.移植継代に成功した組織は2年半に亘る多剤併用療法後に摘出した肺転移組織であり, 7代11ヵ月を経て100%の成着率を示しCC-HM-I(HM)と命名したもの, および実中研(実験動物中央研究所)より恵与を受けたCC-I-JCK(JCK)である.2.HMは充実性で割面は黄白色, JCKは血管に富み出血壊死巣の多い暗赤色な腫瘍でいずれも原腫瘍および継代初期における組織像の特徴を保持していた.3.腫瘍倍加持問はHMは9.0±0.7日, JCKは5.3±0.5日であつた.4.CytophotometryによるDNA量の解析ではHMは2nにピークを持つ一峰性パターンを, JCKは2nと4nにピークを持つ二峰性パターンを示した.5.HMでは1gの腫瘍を担癌するヌードマウスの血中HcG値は75.8±2.8ng/ml, JCKでは117.4±6.2ng/mlであつた.又, 腫瘍重量と血中HCG量との聞に良い相関がみられた.6.LDH活性はJCKの方がHMより約3倍高く, Isozyme patternではHMはLDH_1が, JCKではLDH_<2-4>が強かつた.7.Alkaline phosphatase活性はHMでは低く, JCKでは高かつた.以上, 2種類の絨毛癌組織をヌードマウスに移植継代しその特性について比較検討した結果, その特性は種々異たる事が判明した.この事は制癌剤に対する感受性も異たる事を示唆する重要な問題を有すると思われる.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1981-10-01
著者
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
小林 治
千葉大学医学部産婦人科
-
時田 尚志
千葉県がんセンター動物管理室
-
時田 尚志
千葉がんセンター
-
時田 尚志
八街総合病院
-
石毛 英男
千葉大学医学部第一外科学教室
-
田中 昇
Bml病理細胞診センター(pcl)
-
田中 昇
千葉がんセンター研究所
-
加藤 孝子
千葉大学医学部産婦人科学教室
-
石毛 英男
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
加藤 孝子
千大
-
加藤 孝子
千葉大
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