絨毛癌の薬剤耐性に関する研究 : In vitroにおけるMethotrexate耐性細胞の特性
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概要
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10種類の絨毛癌培養細胞株のmethotrexate(MTX)に対する感受性を比較し,最も感受性であったHCCM-5株からMTX耐性株を分離した.HCCM5細胞を10^-9MMTX添加培養液で培養し,段階的にMTX濃度を高めることにより約80週後に5×10^-7MMTX添加培養液で増殖可能なMTX耐性株(HCCMsR)を得た.HCCM-5R株を親株であるHCCM5株と比較し以下の結果を得た.i)両株の形態,倍加時間に著変はなかった.ii)HCCMsR株のhCG分泌量はHCCM5株の約2倍であった.iii)HCCMsR株のDNA合成を50%抑制するMTX濃度は親株の10000倍であった.iv)染色体分析の結果,HCCM-5株では性染色体XYを有する細胞が90%を占めたのに対して,HCCM-5R株では検索した全ての細胞が性染色体XOを有していた.v)HCCM-5株の核DNA量ヒストグラムは一定のcellcycleパターンを示さなかったのに対し,HCCM-5R株では4倍体域をG_1とする細胞が主であった.vi)HCCM-5R株の細胞内3HMTX取りこみはHCCM-5株の約1/10であった.vii)HCCM-5R株の細胞内DHFR活性はHCCM-5株の約5倍あった.以上の結果から,HCCM-5R株は長期のMTXとの接触によりHCCM-5株中のMTX耐性細胞のみが選択され増殖した可能性が示され,両株間のMTX感受性の違いにはMTX取りこみおよびDHFR活性の変化が関与すると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-12-01
著者
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産婦人科
-
城武 昇一
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
城武 昇一
千葉市立病院薬剤部
-
城武 昇一
千葉大学医学部産婦人科
-
海寳 てる代
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
海宝 てる代
千葉大学医学部産科婦人科学教室
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