排卵期前後における頸管粘液中のlactate dehydrogenase (LDH) 活性の変動についての研究
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概要
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不妊婦人45名を無処置29名,HMG+RCG投与11名,Clomid投与5名に分け,それぞれの排卵周期の頚管粘液中のLDH活性を連続約に調べ,次の結果を得た。(1)頚管粘液中のLDH活性には,周期的変化があり,卵胞期・黄体期では高い活性値を示し,排卵期に近づくに従って漸減し,排卵期で最低となる.(2)HMG+HCG投与群の頚管粘液中のLDH活性の変動のバターンは,無処置対照群の変化のパターンと類似していたが,対照群に比し,活性低値の期間が長かった.(3)Clomid投与群においては,全体に活性値が無処置対照群,HMG+HCG投与群に比し,極めて高値であるが,排卵期において,活性は最低となり,低値の期間が短かかった.(4)頚管粘液中のLDH活性と血中LH値を調べた26名の婦人についてLH peak日とLDH活性最低日とを比較して次の結果を得た.(a)LDH活性最低日がLH peak日と一致したもの10例(38.5%)(b)LDH活性最低日がLH peak日の一日前のもの3例(11.5%)(c)LDH活性最低日がLH peak日の一日後のもの8例(30.8%)(d)LDH活性最低日とLH peak日が,二日以上ずれたもの5例(19.2%)即ち,26例中21例(80.8%)において,LDH活性最低日がLH peak日の±1日以内と一致した.以上により,頚管粘液中のLDH活性測定が,排卵日推定の補助手段として使える可能性があることが判明した.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1979-09-01
著者
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
菊池 義公
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
武久 徹
武久医院
-
岩津 英雄
国立千葉病院
-
岩津 英雄
国立千葉
-
武久 徹
千葉大学医学部産科婦人科学教室
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