最近17年間に於ける子宮頚癌治療成績

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千葉大産婦人科において1959年より1975年に至る17年間に治療した子宮頚癌患者2068例についてその推移を検討した.又,そのうち1959年1969年の11年間の子宮頚癌患者1522例については5年生存を中心に検討した. 1) 年度別進行期別子宮頚癌患者は1965,6年を境にIII期患者の減少,更に1972年頃より早期癌患者の増加が著明となり,40%乃至50%に上昇した. 2) 1959年から1969年迄の11年間に1522例の子宮頚癌患者を治療した.手術療法857例,放射線療法665例であつた. 3) 1522例の5年治癒率は60.5%であり,手術及び放射線療法のそれは,それぞれ78.5%, 37.0%であつた. 4) 手術療法による進行期別5年治癒率は0期93.5%, I期86.9%, II期70.9%, III期26.9%であつた.更にリンパ筋転移率は22.9%であり,リンパ筋転移陰性例の5年治癒率は80.7%であるのに比し,転移陽性例のそれは36.6%と予後が悪い. 5) 術後照射例については,照射法別治癒率に有意の差が認められなかつた. 6) 放射線治療例については,慣用X線とラジウム腔内照射の群に比し,Tele Co^<60>又はLinacとafter loadingで治療で行つた群の方が10.2%の治癒率向上を認めた. 7) 年度別(前半期1959年より1963年,後半期1964年より1969年)により全進行期の5年治癒率は後半期に於いて11.2%の成績向上を認めた.しかし,進行期別治癒率は数%以下の成績上昇に過ぎない.これは主として,I期患者の増加によるものである. したがつて,5年治癒率の向上の為には早期発見,早期治療が必要である.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1977-05-01

最近17年間に於ける子宮頚癌治療成績

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