PRULIFLOXACIN (NM441)の生殖・発生毒性試験 (第2報) : ラット経口投与による胎児の器官形成期投与試験
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概要
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Prulifloxacinの30,300および3000 mg/kgをSlc:SD系ラットの胎児器官形成期に経口投与し,母動物,胎児および出生児に及ぼす影響について検討した。1. 母動物については,300 mg/kg以上の投与群で妊娠期間中の摂餌量減少,妊娠期間から哺育期間にかけて摂水量の増加が,3000 mg/kg投与群で妊娠中期から分娩まで体重増加抑制が認められた。母動物の剖検では,300 mg/kg以上の投与群で盲腸の拡張および盲腸重量の増加が,さらに3000 mg/kg投与群で腎臓の白斑あるいは表面の粗造,腎臓重量の増加および病理組織学的には尿細管腔内に結晶を伴う腎症が認められた。2. 妊娠末期母動物の黄体数,着床数および着床率ならびに自然分娩させた母動物の分娩状態,出産率,妊娠期間および哺育状態には,prulifloxacin投与に起因すると考えられる影響は認められなかった。3. 胎児の観察において3000 mg/kg投与群で体重減少および骨化遅延が認められた。なおprulifloxacin投与による胎児致死作用および催奇形性は認められなかった。4. 出生児については, 3000 mg/kg投与群で出生時に休重減少がみられた。しかしながら,一般状態,発育生存能,分化状態,機能発達,運動協調性,情動性,学習能および生殖能にはprulifloxacin投与による明らかな影響は認められなかった。また,F_2胎児への影響も認められなかった。5. 以上の成績より,本試験条件下における無毒性量は,母動物に対する一般毒性学的影響に関しては30 mg/kg,母動物の生殖に及ぼす影響に関しては3000 mg/kg,また次世代の発生に関しては300 mg/kgであると考えられる。
- 1996-06-05
著者
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鷲見 信好
日本新薬株式会社創薬研究本部
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神藤 康弘
明治製菓株式会社薬品総合研究所安全性研究所
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渡辺 正孝
日本新薬株式会社 創薬研究本部
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守永 太賀彦
株式会社環境バイリス研究所
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藤井 重信
株式会社環境バイリス研究所
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古川 茂典
株式会社環境バイリス研究所
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菊森 幹人
株式会社環境バイリス研究所
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安平 公夫
株式会社環境バイリス研究所
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菊森 幹人
株式会社 環境バイリス研究所 (旧社名 環境保健生物研究センター)
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古川 茂典
株式会社 環境バイリス研究所 (旧社名 環境保健生物研究センター)
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鷲見 信好
Toxicology Laboratories Research & Development Division Nippon Shinyaku Co. Ltd.
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神藤 康弘
明治製菓株式会社
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