子牛の離乳後におけるカルシウム代謝の変化
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概要
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11週齢あるいは5週齢で離乳した子牛について離乳がカルシウム(Ca)代謝に及ぼす影響を調べた.5週齢ホルスタイン種雄子牛6頭(平均64.8kg)をそれぞれ3頭ずつ11週齢離乳(L)区あるいは5週齢離乳(E)区に分け,E区の離乳1,6,8,11,19週目にL区とE区のCa出納と腎クリアランスを検討した.E区では離乳直後に若干増体が抑制されたが,その後の増体速度に差がなかったので,試験終了時もE区の方が体重が小さい傾向を示した.1,6週目にはE区で固形飼料摂取量が増加したが,TDN摂取量ではE区の方が低かった.Ca吸収は早期離乳直後に抑制された結果,保持量も減少した.Ca吸収はまたL区の離乳直後にも若干減少した.日数の経過とともに糸球体濾過量が増加し,それに伴って濾過Ca量も増加したが,そのほとんどが尿細管以降で再吸収され,尿中排泄はわずかであった(〈7%),離乳は腎でのCa動態と血中Ca濃度に明確な影響を及ぼさなかった.以上の結果,早期離乳によりとくにCa吸収が変化し,恐らく骨へのCa沈着が減少する可能性が示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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