第一胃内微生物蛋白質のin vitro消化に及ぼすpHの影響
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概要
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反芻動物においては単胃動物に比べて小腸上部のpHが低いことが知られているので,牛の第一胃内液から調製した細菌区分と原虫区分,それにカゼインを用いてペプシンーパンクレアチン人工消化試験を実施し,その際パンクレアチン消化時のpHを8.0,7.7,7.0,6.5,および5.6の5段階として各試料蛋白質の消化に及ぼす影響を調べた.その結果,カゼインと細菌についてはpH 7.0以下において蛋白質の消化率は有意に低下した(P<0.05またはP<0.01)が,原虫については有意の低下は認められなかった.人工消化後のスルホサルチン酸可溶性区分に占めるα-アミノ態Nおよび遊離アミノ酸の割合は,カゼインと原虫についてはpHの低下とともに減少したが,細菌についてはpHの影響が比較的軽微であった.また人工消化後に遊離されるアミノ酸の組成は,それぞれの蛋白質の構成アミノ酸組成やpHにはほとんど影響されなかった.
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