代用乳給与量の異なる離乳前子牛における採食量および血液代謝像
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概要
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5月に実施した実験1(舎内温度20-24°C)と11月実施の実験2(同12-13°C)のそれぞれにおいて,代用乳給与量が600g/日のホルスタイン種雄子牛4頭(HMR区)と200g/日の同種子牛4頭(LMR区)との間で濃厚飼料と稲ワラの採食パターン,および血中代謝産物とインスリン濃皮の変動パターンを比較した.いずれの場合も,朝300または100gの代用乳と固形飼料を給与してから8時間以内においては,濃厚飼料摂取量はHMR区よりLMR区の方が多く,稲ワラ摂取量には逆の傾向が見られたが,これらの傾向は実験1より実験2の方がより顕著であった.LMR区における代用乳からのエネルギー供給の低さは濃厚飼料摂取量の増加により多少とも代償されたが,その代償の程度も実験2の方が完全であった.血漿グルコースおよびインスリン濃度は代用乳給与直後から増加しはじめ,両実験においてHMR区の方がLMR区より高い値に達したが,数時間後からふたたび減少しはじめた.血漿β-ヒドロキシ酪酸濃度は両実験とも特にLMR区において徐々に増加する傾向を示した.血漿NEFA濃度は両実験とも開始直後に減少し,実験2ではその後低濃度を維持したが,実験1ではその濃度がLMR区においてのみ30分後から増加しはじめた.血漿尿素態N濃度は,最初の数時間は比較的高く,その後は特に実験2において目立って減少したが,両実験とも区間にはほとんど差がなかった.以上の結果,離乳直前の子牛における濃厚飼料摂取量の短期調節にはエネルギー恒常性機構が関与していることが示唆された.
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