第一胃内微生物に対する窒素源としての第一胃内分解性飼料蛋白質の評価

概要

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初体重129kgのホルスタイン種雄子牛4頭を用い,4×4ラテン方格法により第一胃内微生物に対する窒素(N)源としての第一胃内分解性蛋白質(RDPまたはDIP)の評価を試みた.4種類の飼料はいずれも稲ワラ,圧片トウモロコシおよび大豆粕から成り,0,0.5,1.0および1.5%の尿素を添加することによって粗蛋白質(CP)含量をそれぞれ10.2,11.5,12.8および14.1%に調整した.1日に飼料を体重当り2.7%給与する条件でN出納およびTDN含量を測定した.その結果,ARC飼養標準に基づいて求めたME 1 MJ当りのRDP摂取量は,飼料のCP含量または尿素含量の増加に伴って5.2,6.4,7.7,8.9gとなり,NRC標準に基いて求めたME 1 MJ当りのDIP摂取量は4.4,5.7,6.9,8.4gとなった.1日当りのN保持量はN摂取量とともに増加し,飼料のCP含量が12.8%の時に第一胃内における尿素態Nの微生物態Nへの転換効率が最大(約0.69)となった.通常のRDPまたはDIPの微生物態蛋白質への転換効率を0.9とすると,尿素態Nの転換効率はその約80%に相当し,この値はARCの見積りと一致した.その場合,RDPが通常飼料のみに由来するとすれば,第一胃内における微生物態蛋白質合成を最大にするのに適当なRDP/ME比は7.3g/MJとなり,DIP/ME比は6.5g/MJとなった.