3ヵ月齢未満の早期離乳子牛における非微生物態蛋白質の必要性および利用性
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概要
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6週齢末に離乳し,離乳後も食道溝反射を維持させたホルスタイン種雄子牛計54頭を供試して増体試験を4回実施した.8週齢から4-5週間の試験期間内はCP10.5%の大麦主体の濃厚飼料と稲ワラを不断給与に準じて与えた.試験1-3の各試験においては,カゼインを濃厚飼料に混ぜて食べさせることにより第一胃内に投与した場合(SC区)と,カゼインまたはコーン•グルテンミール(CGM)を温湯に懸濁して飲ませることにより食道溝経由で第四胃内に投与した場合(それぞれLC,-LG区)とで増体量を比較した,蛋白質補足量は濃厚飼料のCP含量を12.2%(試験1),14.5%(試験2)および16.5%(試験3)まで高めるのに相当する量とした.その結果,SC区の1日増体量(DG)は試験1より試験2,3の方が大きかったが,試験2と3の間では変わらず,また,全試験でLC区のDGが他の2区より優れていた.試験2において3区間で血漿遊離アミノ酸濃度を比較するとLG区のリジン濃度が他の2区より有意に低かった(P<0.05).試験4では補足蛋白質投与量を試験2と同水準とし,CGMと共にリジン塩酸塩(4.13g/kg基礎飼料)を食道溝経由で第四胃内に投与した場合(LGL区)のDGをLC, LG区と比較した.その結果,LGL区のDGはLC区に匹敵し,LG区よりも有意に増加した(P<0.05).また,LGL区の血漿遊離アミノ酸組成および尿素態N濃度はLG区とは異なり,むしろLC区の方に近くなった.以上の結累,6週齢末に離乳後3ヵ月齢未満,または体重90kg未満の子牛は微生物態以外の蛋白質も必要とし,その蛋白質の利用性はアミノ酸組成または生物価によって異なることが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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