中または低蛋白質摂取水準において飼料蛋白質のルーメン内分解特性の相違が仔牛の増体および窒素出納に及ぼす影響
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概要
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飼料蛋白質のルーメン内分解特性をA, B, Cの3タイプに分類するとき,その順に蛋白質がルーメン•バイパスしやすくなるとの前提の下に,本研究は,CP14%または12%水準の濃厚飼料中に含まれる蛋白質の分解特性の相違が,3-6カ月齢のホルスタイン種雄仔牛の成長およびN出納に及ぼす影響を調べたものである.成長試験は,濃厚飼料と稲わらを不断給与する条件で,1回の試験においてCP水準の等しい2種類の濃厚飼料を7頭ずつの2区に割り当てることにより,計2回実施した.試験1においてはCP14%水準,試験2においてはCP12%水準のAタイプ飼料とBCタイプ飼料を比較したが,両CP水準とも飼料間で増体量,飼料要求率,および増体量あたりのCP摂取量には有意の差が認められなかった.N出納試験は,成長試験に用いたのと同様の4種類の濃厚飼料を初体重平均114kgの仔牛4頭に割り振って,4×4ラテン方格法により実旋した.飼料は濃厚飼料88%と稲わら12%の割合で,1日当り体重の3%に制限して与えた.その結果,尿中へのN排泄率はCP14%のAタイプ飼料において,また,糞中へのN排泄率はCP12%のBCタイプ飼料において,いずれも有意に高かった(P<0.05).N摂取量に対するN保持量の割合には飼料間で有意な差はなかったが,見掛けのN吸収量に対するN保持量の割合はCP14%水準のAタイプ飼料において最も低く,それとCP12%水準の両タイプ飼料との間の差は有意であり(P<0.05),CP14%水準ではBCタイプ飼料の方が高い傾向が認められた.血清尿素態N(SUN)濃度は,N出納試験のみならず成長試験においてもCP12%水準よりCP14%水準において高かったが,同一CP水準でSUN濃度を比較すると,CP14%水準ではBCタイプ飼料の方が高くなる傾向があったのに対して,CP12%水準ではほとんど差がないか,むしろAタイプ飼料の方が高い傾向さえあった.血漿の遊離アミノ酸(PFAA)濃度を測定したN出納試験において,両CP水準のBCタイプ飼料給与時にはロイシンの増加とリジンの減少とが認められた.
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