濃厚飼料多給時の牛の第一胃内における飼料蛋白質の分解特性
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概要
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飼料をナイロン•バッグ内に入れて第一胃内に浸漬するとき,その飼料蛋白質の時間tにおける減少割合P(t)が指数関数P(t)=a+b(1-e-ct)に従うものとして,そのパラメーターa,b,cを測定することにより,いくつかの飼料蛋白質の第一胃内分解特性を比較検討しようとした,ここにおいて,aは第一胃内で速やかに消失する蛋白質区分(可溶性区分),bは酵素作用を受けて徐々に分解する蛋白質区分(分解性区分),cはその分解速度を意味する.大豆粕(SBM),あまに粕(LSM),なたね粕(RSM),コーン•グルテンミール(CGM),コーン•グルテンフィード(CGF),人工乾燥アルファルファ•ミール(DAM),ふすま(WB),脱脂ぬか(DRB),大麦(BL)の9種類の飼料を対象とし,これらをナイロン•バッグ内に入れて,1日あたり濃厚飼料4kg,稲わら2kgを給与中の牛の第一胃内に1,2,4,8,12,24時間浸漬した時の粗蛋白質減少割合を測定し,それに基づいてパラメーターa,b,cの値を求めた.その結果,9種類の飼料の蛋白質分解特性は次の3タイプに大別された.Cタイプはa,b,cのいずれの値も小さいもので,CGMがこれに相当した.Bタイプは,可溶性区分aは比較的少ないが,分解性区分bがそれを上まわって多く,bの分解速度Cも中程度のもので,SBM, LSM, RSM, DRB, DAMがこれに該当した.AタイプはA1とA2のタイプに細分され,前者はCGFのように可溶性区分aが著しく多いものである.後者はaもかなり多いが,分解性区分bも同程度あって,しかもその分解速度cがきわめて大きいもので,BLとWBがこれに相当した.A1とA2とはタイプとしては異なると考えられたが,それらの飼料は蛋白質の減少が早いという点で共通性があるため,一括してAタイプとした.
著者
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