液液界面析出したC_<60>の光励起ポリマー形成

概要

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本研究の目的は光励起を用いて3次元のC_<60>ポリマーを合成することにある。出発原材料としてのC_<60>は液液界面析出(LLIP)法を用いて結晶化させたものである。C_<60>結晶を真空中で、アンビルにより600MPaあるいは7GPaで圧縮し、自由電子レーザ(FEL)@500nm(基本波2000nmの4倍高調波)を照射した。用いたFELは極短パルス@200fsを含んだマクロパルス@2μsからなる。ポリマー化の進行に伴って、1469cm^<-1>近傍に見出されるC_<60>分子のラマンピークはブロードになり、低エネルギー側にシフトする。高圧力を印加し、FEL照射したLLIP試料はポリマー化を示唆するAg(2)振動モードのピーク半値幅は増加し、低エネルギー領域へシフトした。更に、ヨウ素との混合物LLIP試料は、より顕著なシフトを示し、シフト量は13cm^<-1>に達した。これはC_<60>分子間がより密度高く充填されたためである。LLIP法による分子間距離の縮小と光によるヨウ素からC_<60>へのホールドープを同時に行えば、光ポリマー化は効果的に促進されることが分かった。
2010-07-22