フラーレン光重合プロセスの開発(機能性有機薄膜,一般)

概要

論文の詳細を見る
C_<60>が高密度に多重結合してポリマー化した材料は、極めて軽量でダイヤモンド級の硬度としかも柔軟性を兼ね備えた超材料になることが期待される。また、ポリマーの電気物性として、C_<60>に比べてバンドギャップの小さな半導体あるいは半金属的な機能導電材料となることが予想される。本論文は、新しい試みとしてのハロゲン元素を介した光励起ホールドーピング法あるいは薄膜成長中のレーザ照射による重合促進を試みながら、期待されるC_<60>ポリマーの超機能性を実現することを目指した実験結果の報告である。照射光には波長可変、極超短パルスを特徴とする自由電子レーザ(FEL)を用いた。その結果、ヨウ素を添加したC_<60>バルクの場合、600MPa程度の比較的低い圧力の下でも波長500nm付近のFEL照射で重合反応が促進されることを、X線回折やラマン分光分析結果をもとに確認した。また、FEL照射下で形成される蒸着膜はほぼ全体がポリマー化していることを確認した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2007-11-02