精神看護学実習における学生-患者間の「距離」に関する研究
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概要
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本研究は精神看護学実習における学生と患者とのコミュニケーションの距離に関する実態とそれに関する認識を明らかにし,教育活動の手がかりとすることを目的とした。研究方法は,卒業前の3年生に自記式質問紙法を用いて調査を行なった。その結果,実習において学生は,コミュニケーションの距離関系の物理的距離を示す位置関係では「平行法」を用い,患者と「50cm離れて」「20分前後の時間」「ホール」でコミュニケーションを図っていることがわかった。心理的距離では,患者に「近づけた」や「受け入れられた」「理解できた」「係われた」など心理面に接近できていた。コミュニケーションのとり方においては,9割の学生が「挨拶・自己紹介」「患者の確認」「患者の了解」「言葉かけ・うなずき」などを行なっていた。学生が精神看護学の授業に対して希望する教授方法は「プロセスレコード」「看護師の経験談」など実践に即したものが多かった。学生の感想の中に「近づきすぎてもだめ,その人の最もよい距離を早くつかんで,その人のペースでゆっくり係わることが大切」という気づきがあった。学生が経験を振り返ることを通して気づいたことを大切にし,学生自らが学びを深めることができるような教授が必要であることが示唆された。
著者
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土井 英子
新見公立短期大学
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小野 晴子
新見公立短期大学
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岡本 亜紀
香川県立保健医療大学保健医療学部看護学科
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岡本 亜紀
新見公立短期大学看護学科
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岡本 亜紀
新見公立短期大学
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住野 好久
岡山大学大学院教育学研究科
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住野 好久
岡山大学教育学部
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小野 晴子
川崎医科大学附属川崎病院
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土井 英子
新見公立短大
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土井 英子
かとう内科並木通り診療所
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