<原著>新見女子短期大学看護学科卒業生の床上排泄の援助における意識と実態 : 排泄の援助がケアとなるために
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概要
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排泄の援助は,対象の人間としての尊厳をいかに守りながら援助できるかが重要な課題となる。今回本学卒業生が床上排泄の援助に対しどのような意識を持ち,実践しているかを調査し,教育上の課題を検討した。その結果次のような結果が得られた。1.本学卒業生は排泄の援助を,人間としての尊厳を守ることが必要な援助であると考えていることが伺われ,教育目標が卒業後に生かされている。2.本学卒業生は床上排泄の援助方法について,便器を活用する援助はオムツやバルンカテーテルを用いた援助より,善い方法であると考えているが,看護婦の人数や病棟の雰囲気や物品の少なさから便器よりオムツや留置カテーテルを選択せざるをえない現状にある。3.本学卒業生は患者がオムツを使用していても,過半数が便器を用いて援助しており,便器活用の必要性を認識している。4.排泄の援助が人間の尊厳を守り,高め,維持するためには,意識しているだけではなく,実践することが重要である。援助技術論の中でも排泄の援助を人間の尊厳を守る援助としてとらえ,排泄の援助がケアになるための援助について,学生とともに探求したいと考える。5.排泄の単元において患者体験の演習をするかどうかは,学生の人間としての尊厳に関わることであり,演習の仕方を工夫することやなぜ患者体験が必要かを十分説明することにより,学生自身が体験するか・しないかを選択することができるように配慮が必要ではないかと考えられる。
- 新見公立短期大学の論文
- 1999-12-25
著者
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