ブナ類2種(Fagus crenata Blume and Fagus japonica Maxim.)の豊凶現象が樹体の成長に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ブナとイヌブナについて豊凶現象,落葉量,BA成長量を12年間にわたり調査し,豊凶現象が樹体の成長にどのような影響を与えるのかについて明らかにした。豊凶現象と落薬量の関連については,両樹種とも堅果と殼斗の落下量が多い年ほど落薬量が少ない傾向がみられ,豊作・並作年には凶作・不作年に比べて葉の生産量が減少していると考えられた。また,豊作年にBA成長量が減少する傾向が認められ,その傾向は豊作から数年間みられた。以上の結果から,ブナとイヌブナは開花・結実のために大量の貯蔵物質と光合成生産物を生殖器官に分配し,それによって消費した資源を回復するために少なくとも数年間を要することが示唆された。
- 日本森林学会の論文
- 2008-06-01
著者
-
梶 幹男
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
梶 幹男
東京大学農学部附属演習林研究部
-
五十嵐 勇治
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
-
大村 和也
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
-
澤田 晴雄
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
澤田 晴雄
東大・演
-
梶 幹男
東京大学農学部
関連論文
- DEM を用いた秩父天然林における小地形の抽出とブナとイヌブナの分布特性
- 愛知演習林のコナラを対象にした樹液流の染色実験の報告
- 秩父山地における林冠の撹乱規模の異なるイヌブナ天然林の20年間の再生過程
- 人工造林はエゾマツの資源回復に有効か?--40年以上が経過したエゾマツ人工林の生育状況
- 針広混交天然林における樹木の個体数と現存量の動態 : 北海道演習林前山保存林の事例
- 秩父山地イヌブナ-ブナ林の齢構造と更新特性
- 東京大学秩父演習林における冬期のカモシカ Capricornis crispus およびシカ Cervus nippon の分布
- 愛知演習林新居試験地におけるマツ材線虫病による被害の推移と対処経過
- 材線虫病被害後における海岸林の樹種構成 : 七里御浜国有林と愛知演習林新居試験地の比較
- 1989年2月下旬秩父演習林で発生した人工造林地雨氷害の要因解析