実物との混在表示における2眼式立体画像の融像特性(<論文特集>次世代画像技術)

概要

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筆者らが研究を進めている, 人工現実感の応用形態である臨場感通信会議システムでは, CGによる立体画像を用いて生成した仮想空間を利用者間で共有し, 立体画像で構成される仮想空間と, 利用者の居る現実の空間(会議室)の様々な物体が混在して表示される.そのために, 通常の融像領域とされる範囲内でも立体視に困難を感じる場合がある.10名の被験者に対して, 2眼式立体表示された静止3次元オブジェクトと実物が重なって表示された場合について, 立体画像の表示位置, 実物の置かれる位置および立体画像と実物の表示サイズの比率を変えて, 実物が融像に対しどの程度妨害と感じるかを主観評価した.また, 比較のために実物の代わりにCGを妨害として, 同様の実験を行った.その結果, 妨害の存在で立体視は困難になるが, 特に, 妨害により立体画像の一部を欠きながら, 表示位置は妨害の前方である場合に, 困難を感じる度合いが顕著である結果を得た.さらに, 立体視の対象である立体画像が移動している場合について, 同様な実験を行い, 静止している場合と同様の結果を得た.
社団法人映像情報メディア学会の論文
1994-10-20