注視点較正のための視標提示に関する一検討

概要

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我々は、視線移動をヒューマンインタフェースに利用する目的で、利用者がディスプレイと相対する状況においてディスプレイのどこを見ているかについての計測法を検討中である。注視点の測定法としては、眼鏡式アイカメラを用いる方法や、TVカメラで捉えた画像を処理する方法等が考えられるが、いずれの方法においても以下のステップが必要である。即ち、ディスプレイ表示面の座標系に変換可能な観測座標系を設定し、この座標系において眼の特徴点の位置から眼の回転方向を求め、この方向の延長線がディスプレイ表示面と交わった点を注視点として求める。このアルゴリズムの中では、観測座標系からディスプレイ座標系への変換パラメータや、眼球の構造パラメータが未知数として含まれるため視線検出システムを利用するためには、その利用に先立って較正の過程が必要となる。較正の方法としては、ディスプレイ上の既知の点に視標を提示し、視標を注視しているときの眼の特徴点の位置を求め、このデータを用いて未知のパラメータを決定する方法が簡便でありよく用いられる。較正の精度を上げるには、利用者に視標をできるだけ正確に注視してもらうことが重要である。本報告では提示する視標の属性および提示時間と視線の微動の大きさとの関連についての実験を行い、微動の少ない提示方法、望ましい提示時間について知見を得たので報告する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-10-16

注視点較正のための視標提示に関する一検討

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