顔の軸対称性を考慮した顔輪郭の自動抽出

概要

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顔画像からの正確な顔輪郭の抽出は, 顔合成のためのモデル獲得など, 顔認識・顔画像処理における課題の一つである. 本研究では, 人間の顔のもつ大局的な特徴である左右対称性を利用することで, 顔輪郭形状を抽出する方法を提案する. 具体的には, Kassらにより提案された動的輪郭モデルを輪郭を表現するモデルとし, モデル変形のための拘束条件に非軸固定型の軸対称性拘束を入れることで, ほくろやしわといった雑音成分ならびに輪郭線のあいまいな顔輪郭部を含む場合にも, 滑らかな輪郭形状を抽出することができる. また, 提案手法を含んだ自動顔輪郭抽出システムを実現し, 本手法の有効性を検討する実験を行った. 約60の顔画像データに対し適用し, 精度の良い滑らかな顔輪郭形状を検出する上で適していることが確認できた. また, 一般に動的輪郭モデルを利用する上で問題となる初期値についても, 大まかに顔領域内に初期値がとれれば顔輪郭が検出でき, 軸対称性拘束が初期値設定の上でも有用であることが確認できた.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-08-25