在宅ホスピスケアを受ける患者と家族のニーズ : 在宅ホスピスを選択した遺族への調査
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概要
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(目的)在宅ホスピスにおける良質な看護の提供に資するため, 在宅ホスピスケアを受けた家族より患者・家族のニーズを明らかにし, 今後の支援課題を明確にする。(対象)東京都内のH訪問看護ステーションの在宅ホスピスケアを受けて患者を看取った4世帯の遺族6名を対象とした。対象選択にあたり, 患者の死亡後, 訪問看護師によるグリーフケアを受けている遺族とした。(方法)半構成式質問による聞き取り調査である。約1時間程度の1回のみの面接とし, 了解を得てテープに録音した。(結果)(1)在宅ホスピスケアを受けた4人の患者は強く在宅闘病を希望していた。また家族に主たる介護者があり, 彼らがキーパーソンとしての役割を担っていた。(2)患者が高齢者の場合においては, 余命告知はなされていなかった。また在宅の平均闘病期間は, 約100日であった。(3)在宅ホスピスで良かったことは, 「患者と家族との距離の近さ」「自分らしい生活ができること」であった。また困ったことは, 「患者の症状や対応への不安」「家族の身体的・心理的負担が大きいこと」があげられた。しかし, 全ケースとも訪問介護サービスを受けていなかった。(4)全ケースとも在宅で患者を看取ったことについては満足していた。また入院に比べ比較的コストを低く抑えられていた。(5)家族は在宅ホスピスの情報について病院医師から提供されており, 病院と地域医療の連携が浸透しつつあることが伺われた。(6)在宅ホスピスの医師や看護師ら医療従事者のケアに対しては概ね満足していたが, サービスの受け手側にたったより細やかな配慮の必要性が示唆された。(結論)在宅ホスピスは主介護者をはじめ家族の不安や負担は大きいものの, 家族の看護への満足度は高い。今後, 患者や家族への更なる細やかな配慮, 教育支援プログラムなどの開発, 介護環境の整備が望まれる。
- 2005-06-25
著者
-
石 純子
東京都立保健科学大学
-
杉本 正子
東京都立保健科学大学
-
荒賀 直子
順天堂大学 医療看護学部
-
荒賀 直子
順天堂大学・医療看護学部
-
河原 加代子
東京都立保健科学大学・保健科学部
-
高石 純子
日本赤十字看護大学・看護学部
-
後藤 志保
東京都立保健科学大学・保健科学部
-
川村 牧子
東京都立保健科学大学
-
リボウィッツ 志村よし子
青森県立保健大学・健康科学部
-
秋山 正子
(有)ケアーズ・白十字訪問看護ステーション
-
高石 純子
江戸川区立葛西保健相談所
-
高石 純子
東京都立医療技術短期大学
-
河原 加代子
首都大学東京 健康福祉学部
-
河原 加代子
東京都立保健科学大学
-
杉本 正子
東京都立保健科学大学・保健科学部
-
秋山 正子
ケアーズ 白十字訪問看護ステーション
-
荒賀 直子
順天堂大学
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