酒造用低グルテリン米を用いた清酒の酒質改善方法

概要

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低グルテリン米を用いた清酒醸追試験において,消化率の向上を促し,特異香のない製成酒を得るため,酵素剤の示加あるいは麹歩合を高めることによる酒質の改善を試みた.1)これまでの低グルテリン米仕込では,消化率あるいは発酵率が低下した.また,製成酒はアミノ酸度が低く特徴のある酒質であるが,官能的に不快臭とされるイソアミルアルコール音量が高く,特異香も有した.2)これらの問題点を解決するため,低グルテリン米を掛米に用いた小仕込試験において,もろみ用酵素剤の添加あるいは麹歩合を高めることにより,米の溶解を促進させ,もろみ初期のアミノ酸欠乏を改善した.その結果,低グルテリン米仕込でも消化率が向上し,製政酒のイソアミルアルコール含量が抑えられた.官能評価においても特異香が感知されなかった.3)総米150kgの清酒醸造試験を行い,低グルテリン米仕込における酵素剤添加の効果を実地醸造規模で確認した.その結果,小仕込試験と同様,酵素剤添加の効果を確認することができた.4)以上の結果から,低グルテリン米仕込において酵素剤を添加する方法あるいは麹歩合を高める方法は,実用化に向けて懸念となっていた問題点を解消し,原料利用率を高め,酒質の向上を図る上で非常に有効である.
社団法人日本生物工学会の論文
2004-03-25

酒造用低グルテリン米を用いた清酒の酒質改善方法

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