β-1,3-およびβ-1,6-結合を持つグルカンの酵素による分解 : (I)カビのβ-1,6-グルカン-ヒドロラーゼ

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β-1,6-グルカンであるルテアンに対する加水分解力を, ルテアンを主な炭素源として培養した500種以上の微生物につき調べた.数種の市販酵素剤および2種の海産動物消化液標品についても, その活性を測定し比較した結果, 強いβ-1,6-グルカナーゼ活性は, Helminthosporium, Gibberella, Aspergillus, Macrosporium, Fusariumなどの糸状菌に認められた.数種の異った炭素源を用い, β-1,6-グルカナーゼ生産能の高い糸状菌につき, その酵素生成に対する影響を調べたところ, これらの菌はいずれも, この酵素を誘導的に生産することがわかった.グルコース存在下にも, この酵素を生産する菌があったが, コハク酸, グリセリン, グルタミン酸などを炭素源とした場合には, 菌体の良好な生育にもかかわらず, 酵素活性は検出されなかった.酵素生成能の高いAspergillus usamii KO 234の酵素を, DEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーにより分画し, β-1,3-グルカナーゼ, β-グルコシダーゼを含まないβ-1,6-グルカナーゼ標品を得た.このものの至適酸度は, pH 5〜5.5であり, ルテアンを基質とした場合の部分水解物をペーパークロマトグラフィーで分析すると, ゲンチオリゴ糖n=2〜4が検出されることから, グルカノヒドロラーゼであることがわかった.
社団法人日本生物工学会の論文
1972-06-25

β-1,3-およびβ-1,6-結合を持つグルカンの酵素による分解 : (I)カビのβ-1,6-グルカン-ヒドロラーゼ

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