気体巻込み方式による塔形醗酵槽 : (第2報)気体巻込みに関する理論的解析

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前報において, 気体巻込み方式による塔形醗酵装置について紹介するとともに, 気体巻込みは二つの方法によっておこなうことが可能であることを示したが, 本報では, そのうちの一方法である流下液膜による気体巻込み現象について理論的解析を試みた.理論的解析を進めるにあたり, 気体巻込み現象について一つのモデル過程を設定した.すなわち, 流下液膜上にはガス境界層が形成され, 境界層の中の液膜に接した部分がガス膜の形で液中に巻込まれる.巻込まれたガスは気泡となって液相中に分散するとともに, その一部はただちに液表面より系外に逃げる.このような気体巻込み過程モデルに基づき気体巻込み量を与える理論式を導いた.この理論式(Eq, 26)によれば, 気体巻込み量は管径, 液流量, および液膜流下距離の増大によって増加し, 液粘度の増大によって減少することが容易に推定でき, 他方, 液流量および液膜流下距離の増大はガス境界層の厚みを増大させるから, それにともなって巻込まれるガス膜厚さも増大し, したがって気体巻込み量が増加するということから, 当然設定したモデル過程によっても説明できる.巻込まれた気体のうちただちに液表面から逃げてしまう量については, 次元解析によりEq.(27)を得た.また, 気体巻込量および液表面から逃げる気体量は, 液の動粘性係数および管内液相の軸方向の混合拡散係数によって影響を受けるであろうことを示し, これらをそれぞれの理論式に導入したが, その関数関係の決定は次報以下に述べるように実験的解析によらなければならない.
社団法人日本生物工学会の論文
1971-12-25

気体巻込み方式による塔形醗酵槽 : (第2報)気体巻込みに関する理論的解析

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