Studies on Saccharogenic Amylase Produced by Aspergillus awamori : (III) On the Presence of Two Types of Saccharogenic Amylase

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最近, 糊精化型アミラーゼについては耐酸性および非耐酸性両酵素の存在が明らかにされているが, 糖化型アミラーゼは一般に澱粉分解酵素系中では耐酸性なものと考えられているので, 耐酸性, 非耐酸性両酵素の存在についての研究はほとんどない.Aspergillus awamori var. fumeus-1-B42 菌の液内培養によってえられる糖化型アミラーゼ系は, pH2.5,30℃の酸処理によって, 1 hr 以内で約40%の活性が失活し, 残存する約60%の活性はその後24 hr 以上の酸処理によってもほとんど失活しない. この事実から, 本菌の糖化型アミラーゼ系は耐酸性の異なった二種類から成る可能性が考えられるので, それら二種類の糖化型アミラーゼの存在の分割をし, 両糖化型アミラーゼの証明を試みた.(1)培養 pH による両糖化型アミラーゼの分割培養 pH を変えることにより, 生成する酵素組織が異なることはすでに知られているので, 本菌の培養 pHを2.0〜2.5,4.5〜5.0 (糖化型アミラーゼ生成の最適培養pH), 6.0〜6.5の三段階に規制して培養をおこない, えられた各糖化型アミラーゼ系について, 上記の酸処理をおこなった. その結果, 培養 pH 2.0〜2.5 で生成する糖化型アミラーゼ系はほとんど失活しないが, 培養 pH6.0〜6.5で生成する糖化型アミラーゼ系は 1 hr 以内でほとんどの活性が失活した. 培養 pH 4.5〜5.0で生成する糖化型アミラーゼ型は上記の通りで, 約40%の活性が失活した. またこれら三種類の糖化型アミラーゼ系のpH 安定性を検討した結果, 培養 pH 4.5〜5.0で生成する糖化型アミラーゼ系は培養 pH2.0〜2.5および培養 pH 6.0〜6.5で生成する糖化型アミラーゼ系の中間の性質を示した.これらの結果は, 培養 pH 4.5〜5.0で生成する糖化型アミラーゼ系は培養 pH 2.0〜2.5および培養 pH 6.0〜6.5で生成する糖化型アミラーゼの混合物であることを示すものである.(2) DEAE セルローズクロマトグラフィーによる両糖化型アミラーゼの分割培養 pH 4.5〜5.0で生成する糖化型アミラーゼ系を DEAE セルローズを用いて, pH を徐々に変えてクロマトグラフィーを行なうと, pH 8.0〜7.0および pH5.1〜3.9で溶出する二区分に分割された. 前者は pH2.5,30℃の酸処理によって1 hr以内にほとんどの活性が失活し, 後者はほとんど失活しない.培養pH 2.0〜2.5で生成する糖化型アミラーゼ系について, 同様のクロマトグラフィーをおこなうと pH5.1〜3.9で溶出する区分のみであった. また培養 pH6.0〜6.5で生成する糖化型アミラーゼ系はほとんどが pH8.0〜7.0で溶出する区分であった.以上の結果から, 本菌の糖化型アミラーゼ系は酸に対する耐性の異なった二種類から成ることがほぼ確認できた.筆者らは本菌のこれら二種類の糖化型アミラーゼについて, pH2.5,30℃の酸処理によって失活しないものを「耐酸性糖化型アミラーゼ」, 失活するものを「弱耐酸性糖化型アミラーゼ」と呼ぶ.
社団法人日本生物工学会の論文
1965-09-25

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