干し大根の水戻しと煮物に及ぼす超音波処理の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
干し大根(割り干し)の迅速な水戻し法を見出す目的で, 超音波照射を取り入れた水戻しを行い, 水温5, 25及び40℃設定での好適条件を探索し, 更に煮物にした製品の理化学的性状と食味変化に及ぼす超音波照射の影響について検討し, 次の結果を得た。1) 干し大根は水戻し時間経過と共に吸水量が増加するが, 照射した方が短時間で膨潤し組織は速く軟化した。2) 水戻し時間が長くなると, 一般成分の全糖・遊離糖, 粗蛋白質, 遊離アミノ酸, 灰分, 無機質の含量は著しく減少する傾向を示したが, 超音波照射有無の差はわずかであった。3) 干し大根の水戻しの好適条件は水温25℃設定の15分照射と対照の照射なしの30分浸漬で, 両試料の一般成分値はほぼ同等値を示し, 無機成分の残存率もCa81%, Fe70%, Mg69%以上で良好であった。4) 煮物調理では照射した製品は照射なしの製品に比しテクスチャー特性の破断歪率が有意に大きく, 歯応えがあり, 調味液の浸透割合がやや高く, 干し大根の特有の臭気も多少緩和され, 食味評価も優れていた。以上の結果から, 干し大根の水戻し法に超音波照射を行うことは水戻し時間が短縮でき, 嗜好にも関与し効果的であると考えられた。
- 1995-02-20
著者
関連論文
- キノコの保存に対する家庭用冷凍冷蔵庫の利用 : 冷凍したマツタケ, ナメコと水戻しした干しシイタケを冷凍保存した場合の受容性の検討
- 鶏肉ハンバーグステーキの品質に与える味噌および蒟蒻ゾル添加の影響
- 青年期および中年期禅宗修行僧における血清脂質, 血糖値の生理学的相違
- 精製蒟蒻ゾルの製造と小豆種皮粉・渋汁など廃棄物の利用に関する研究
- 製パンにおけるレモンフラボノイド添加の影響
- 日本食品アミノ酸組成表から算出した新規窒素-たんぱく質換算係数
- 鶏肝臓味噌漬の性状と嗜好に及ぼす各種味噌の影響
- 蒸カステラの性状, 食味特性と保存性に及ぼす小豆種皮粉添加の影響
- 小豆種皮粉および蒟蒻ゲルの添加がマフィンの品質に及ぼす影響
- 禅宗修行僧の栄養摂取状況と健康状態