蒟蒻精添加が蕎麦麺の品質に及ぼす影響
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概要
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蕎麦麺の「つなぎ」に蒟蒻粉(一等精粉 : 精粉A、エタノール15分間処理 : 精粉B、照射15分間処理 : 精粉C)を適用した蕎麦麺を製造し、品質に与える影響並びにその製品の保存性について研究した。1.精粉添加蕎麦の製造は最初に精粉ゾルを調製し蕎麦粉を加え麺線とし、精粉添加量は2%が好適であった。2.生地は精粉A,B,Cにより破断応力・破断歪・破断エネルギー値に差はみられるが、生地の経時的変化量は少なかった。3.精粉C2%添加茹蕎麦麺が最適な製品で、破断応力・破断歪が大きく1時間経過後も値は大きく、切れ難く伸びが少なく物性的に改良された。官能評価でもおいしさ、腰の強さ、喉ごし、口当たり及び総合評価で有意に好まれた。対照の蕎麦粉100%麺は破断応力・破断歪の値が低く切れやすく脆いことを認めた。4.精粉C2%添加蕎麦麺の成分は蕎麦粉100%麺に対し、難消化炭水化物の食物繊維の含有量が約2g多くなり、無機成分も同程度含まれることが考えられ、添加蕎麦麺の品質向上が期待された。5.蒟蒻粉の精製操作では、照射した精粉添加は無照射の精粉添加より蕎麦麺の風味、色、物性に影響を与え、官能評価も優れていた。また、照射を併用した精製法は15分間照射で良質な「つなぎ素材」が得られ、精製に有利であった。6.蒟蒻粉添加麺の保存性を生菌数からみると、無添加麺と差異はなく、5℃の保存3日後で10^6〜10^7/gに増殖したものの、茹麺にすることによって10^3/gに減少させ可食が可能なレベルまで下げられた。本研究を進めるに当たり、蕎麦粉と蒟蒻粉の素材をご提供いただきました吉村穀粉(株)と関越物産(株)に心より御礼申し上げます。
- 2000-08-20
著者
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菅原 龍幸
女子栄養大学
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木村 友子
椙山女学園大学
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佐々木 弘子
女子栄養大学栄養学部
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亀田 清
椙山女学園大学生活科学部
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南場 毅
愛知県食品工業技術センター
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菅原 龍幸
女子栄養大
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佐々木 弘子
女子栄養大学
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亀田 清
椙山女学園大
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