<原著>スポーツ行動の予測因に関する研究(3) : 男女別・年代別の比較

概要

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本研究は, スポーツ行動を規定する関連要因, つまり, 社会的要因, 身体的要因, 心理的要因を性別, 年代別に分析した時, どのような規定力を有する変数・要因がみられるか, またその共通点と相違点は何かを明らかにする目的で行なわれた。その為に, 中学生から社会人までが研究の対象となり, 規定要因の分析には, 数量化理論第II類の判別分析を採用した。主要な結果を要約すると以~卜のとおりである。1 外的盤準の判別力の精度判別力をみるための相関比, 判別成功率は極めて高い値が得られ, スポーツ実施・非実施をよく判別した。特に年代別においては顕著であったが, 全体, 男女別では判別力が若干低下し, 各年代の変数の規定力が相殺すると思われる現象がみられた。そのような傾向のみられた要因群は, 家庭環境, 生活時間・意識, 重要なる他者, 身体的要因, 心理的要因(但しスポーツへの行動意図は除く)であった。2 全体からみた規定要因要因群でみると, スポーツ関与・意識要因, 現在のスポーツ条件要因, 信念の心理的要因に多くの規定力をもつ変数がみられ, 特に, スポーツ関与・意識要因と現在のスポーツ条件要因はスポーツの実施・非実施に強く関与していた。極めて高い規定力をもつ変数は, 上位から順に, 「現在のスポーツクラブ」, 「スポーツ実施への行動意図」, 「スポーツ実施の型」, 「現在の時間の有無」, 「スポーツ得意度」などであった。3 男女別にみた規定要因要因群でみると, 男女共通して, スポーツ関与・意識要因, 現在のスポーツ条件要因に多くの規定力をもつ変数がみられ, スポーツ実施・非実施に強く関与していた。しかし, 現在のスポーツ条件要因, 身体的要因は男子より女子の関与度が強く男女差がみられた。なお, 極めて高い規定力を有した変数は, 男女共通して「現在のスポーツクラブ」, 「スポーツ実施の型」, 「スポーツ得意度」「社会人クラブの経験」, 「スポーツへの行動意図」, 「現在の時間の有無」であった。なお, 男子の「見る・聞くスポーツ関与」, 「スポーツの好嫌」, 女子の「家庭の職業」, 「現在のクラブ・友人の有無」, 「勉強時間」などはそれぞれ特有に高い規定力を有していた。4 年代別にみた規定要因各年代とも共通して, スポーツ関与・意識要因は高い規定力をもっており, 現在のスポーツ条件要因, 身体的要因なども規定力を有していた。年代とともに規定力が高くなる変数は, 「出生地」, 「兄弟数」, 「父の学歴」「母の学歴」・「通勤(学)時間」, 「スポーツ得意度」, 「地域の人の規範」, 「信念 : 肥満因子」, 「性格 : 適応性因子」であり, 逆に, 規定力が低くなる変数は「家庭の職菓」, 「家庭の収入」, 「過去の指導者の存在」, 「性格合計」などであった。
1984-03-30

<原著>スポーツ行動の予測因に関する研究(3) : 男女別・年代別の比較

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