<原著>幼児の身体発育及び運動能力の発達に関与する要因
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概要
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福岡市内及び大分県宇佐郡の幼稚園児を対象にして身長, カウプ指数, 運動能力に関与する要因を分析した結果, つぎのように要約することができる。1. 身長を脱定する要因の関与度は, 男児では生まれ月, 充足栄養素数, ビタミンB_2,出生時の体重, 地区, 発熱傾向, 続柄, 女児では生まれ月, 母の身長, 地区, 食事量, 兄弟姉妹数, 遊び友達の有無, 食欲度, 出生時の身長, 父の身長, 冷暖房の有無, 出生時の体重, エネルギー, 脂質, 健康状態の順序で高かった。また, 身長に関係する要因を偏相関でみると男児は生まれ月, 嫌いな食品数, 女児では兄弟姉妹数, カルシウム, 充足栄養素数, エネルギー, 生まれ月の順序で高かった。2. カウプ指数を規定する要因の関与度は, 男児では健康状態, 発熱傾向, 地区, 年齢, 食事量, 冷暖房の有無, 父のスポーツ実施度, 母のスポーツ実施度, 女児では母のスポーツ実施度, 健康状態, 食事量, ビタミンB_2,年齢の順序で高かった。偏相閑でみると男児は年齢, 母のスポーツ実施度, 生まれ月, 食事量, ビタミンC, の順序で高く, 女児では糖質のみであった。3. 運動能力を規定する要因の関与度は, 男児では園の教師がみた活発度, 体重, かぜの羅患傾向, 身長, 女児では身長, 年齢, 体重, 室外遊び時間, 食事量, 健康状態の順序で高かった。偏相関でみると男児は, 兄弟柿妹数, ビタミンB_1,生まれ月, 女児では年齢, 室外遊び時間, 充足栄養素数, カルシウム, エネルギー, かぜの罷患傾向の順序で高かった。4. 男女に共通する要因は, 身長では生まれ月, 出生時の体重, 地区であった。カウプ指数では健康状態, 年齢, 食事量, 男女で影響の方向は異なるが母のスポーツ実施度であった。運動能力では身長, 体重であった。5. 要因の関連構造からると, 身長では生理的年齢(月齢), 遺伝, 家庭・成育環境, 逮動・遊び, 栄養, 健康, 自然環境が幅そうした関係を示した。また, カウプ指数では健康状態, 食事量, 年齢, 両親のスポーツ実施度, 運動能力では身長, 体重, 活発さ, 遊び時間, 食事量, 健康状態などが主要な要因として幅そうした関係にあった。以上のとおりであるが, 本稿ではいくつかの問題点があった。その1つは測定・調査した要因には過去のものと現在のものが混同しており, 発育発達との関係を解釈するのは困難な側面もあった。とくに栄東面は1回だけの測定であり詳細な因果関係を分析するには至らなかった。体重当りの摂取量の算出なども含めて検討の余地がある。また, 林の数量化理論第II類から算出されたカテゴリースコア, レンジ値, 偏相関の解釈はサンプル数が少数だったためか, 結果の解釈に困難な点が多かったので詳細な分析はひかえた。今後は今回明らかにできた要因と発育発達の関係を詳細に分析すること, そして, これらの結果を指導面でとのように生かしてゆくかを検討しなければならない。
- 九州大学の論文
- 1982-03-30
著者
-
徳永 幹雄
Institute of Health Science, Kyushu University
-
徳永 幹雄
第一福祉大学人間社会福祉学部
-
城田 知子
中村学園大学・短期大学食物栄養学科栄養指導
-
城田 知子
中村学園大学短期大学部
-
城田 知子
Nakamuna Gakuen College
-
吉住 笑美子
Nakamuna Gakuen College
-
城田 知子
中村学園大学・短期大学食物栄養学科・食物栄養科
-
吉住 笑美子
中村学園大
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