<原著>健康度と生活習慣からみた健康生活パターン化の試み
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概要
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健康指導に役立つ健康生活パターンの分類法を作成する目的から男子大学生155名を対象にして, 健康度チェックリストの作成および健康度に関係する生活習慣の関係を分析した。そして, 健康度得点と生活習慣の得点によって健康生活パターンの分類を試みた。そのおもな結果は次のとおりである。1)身体的健康4項目, 精神的健康4項目, 社会的健康4項目の合計12項目から構成される健康度チェックリストを作成した。2)健康度チェックリストによる健康度得点は休養, 運動, 食・嗜好品, 対人環境などの生活習慣等要因およびスポーツ関連要因と有意な関係がみられた。3)健康度および生活習慣の得点によって4つの健康生活パターンを作成した。4つのパターンに分類されるグループは健康度, 生活習慣, スポーツ関連要因のほとんどの項目で有意な関係が認められ, 次のような各パターンの特性が明らかにされた。(1)パターン1 : 健康度や生活習慣は最も望ましい。運動は多く, 体力は高いので, 「イキイキ型」とした。(2)パターン2 : 健康度はやや望ましいが, 生活習慣はやや望ましくない。運動はやや多いが体力は最も低いので, 「アレアレ型」とした。(3)パターン3 : 健康度はあまり望ましくないが, 睡眠, 嗜好品の生活習慣は最も望ましい。体脂肪率は最も高く, 持久力は低いが, 体力はやや良いので「オヤオヤ型」とした。(4)パターン4 : 健康度, 生活習慣, スポーツ関連要因のいずれも4つのパターンの中で最も悪く, 将来が心配なので「ヒヤヒヤ型」とした。今後.健康度チェックリストおよび生活習慣, スポーツ関連要因について, 適切な質問項目を設定し, より妥当性のあるものとしたい。なお, 本論文の要旨は第41回九州体育学会で発表した。
- 九州大学の論文
- 1993-02-15
著者
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徳永 幹雄
Institute of Health Science, Kyushu University
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徳永 幹雄
第一福祉大学人間社会福祉学部
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橋本 公雄
Institute of Health Science, Kyushu University
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高柳 茂美
Institute of Health Science, Kyushu University
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高柳 茂美
九州大学健康科学センター
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高柳 茂美
九州大健康科学センター
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