<原著>身体運動に対する態度と行動に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
福岡市内の中学生, 高校生, 大学生を対象にして身体運動に対する態度と行動の関係について分析してきたが, つぎのように要約することができる。1. 柳本運動に対する態度の学年差は男子では高学年になるにしたがって, あるいは, 加齢にともない好意的態度が形成されていた。女子では中学で高学年ほど好意度が低かったが, 高校, 大学では高学年ほど好意的態度がみられた。しかし, 大学生の態度は高校生より好意度が低かった。2. 身体運動に対する態度の性差は合計得点では高校2,3年を除き, 男子が好意的態度であった。男子は第1因子(不快的感情を伴った非行為的因子)および第3因子(快的感情を伴った行為傾向的因子)の中学, 大学で好意度が高く, 女子は第2因子(認知的因子)の高校で好意度が高かった。3. 運動量の学年差は男女共通して中学, 高校, 大学とも高学年になるにしたがって運動量は減少し, 「最終学年スポーツ減少説」を提起できた。4. 運動量の性差は高校3年を除き, 中学, 高校, 大学のいずれの学年においても男子の運動量が多かった。5. 態度と行動の相関では, 態度の3因子および合計得点と行動の間に, いずれも有意な相関が認められた。男子は合計得点, 女子は第3因子に最も高い相関がみられ, 3因子の中では男女とも第3,第1,第2の順序で相関が高かった。これらの態度得点から行動を予測することの可能性が示唆された。6. 態度と行動の相関についての学年差は中学, 高校, 大学とも男女共通して高学年になるにしたがって相関が低くなった。とくに, この傾向は男子は高校, 女子は中学において顕著で, 男子の高校3年と女子の中学3年には態度と行動に不一致がみられた。
- 1979-03-30
著者
-
徳永 幹雄
Institute of Health Science, Kyushu University
-
橋本 公雄
Fukuoka Institute of Technology
-
橋本 公雄
Fukuoka Technical College
関連論文
- 高齢者のスポーツに関する社会心理学的研究(4) : 都市と農村におけるゲートボール実施者の比較
- 高齢者のスポーツに関する社会心理学的研究(3) : ゲートボール実施をめぐる問題について
- スポーツ行動の予測因に関する研究(3) : 男女別・年代別の比較
- 軽症高血圧者に対する健康処方の適用と効果に対する研究(第2報) : 3カ月間のテニス教室について
- 軽症高血圧者に対する健康処方の適用と効果に関する研究(第1報) : 3カ月間の運動教室について
- スポーツ選手の心理的競技能力にみられる性差, 競技レベル差, 種目差
- スポーツクラブ経験が日常生活の心理的対処能力に及ぼす影響
- スポーツ選手の心理的競技能力のトレーニングに関する研究(4) : 診断テストの作成
- 運動経験と発育・発達に関する縦断的研究
- テニス選手に対するメンタルトレーニングの実施と効用性
- 運動による気分変化の一方略 : カップリングを用いることの意義
- メンタルヘルスパターンと健康行動との関係(1) : 特に身体活動関連変数を中心として
- 児童の組織キャンプ体験がストレス反応に及ぼす影響 : 認知的評価との関連から
- スポーツ競技におけるパフォーマンスを予測するための分析的枠組みの検討
- スポーツ選手の心理的特性に関する国際比較
- スポーツ選手に対する心理的競技能力のトレーニングに関する研究(2) : 皮膚温バイオフィードバックを利用したリラクセーションのトレーニングについて
- スポーツ選手に対する心理的競技能力のトレーニングに関する研究(1) : イメージ・トレーニングの予備的調査・実験
- 運動の爽快感とその規定要因(1)
- 大学における公開スポーツ教室の運営・指導に関する事例研究
- スポーツ選手の心理的競技能力のトレーニングに関する研究(3) : テニス選手のメンタル・トレーニングについて
- メンタルヘルスパターン診断検査の作成に関する研究(1) : MHP尺度の信頼性と妥当性
- 試合前の状態不安と実力発揮度の関係
- 大学生の栄養素等摂取状況と食物消費構造
- 軽症高血圧者に対する健康処方の通用と効果に関する研究(第3報) : 第2回テニス教室について
- 中高年者水泳教室での運動処方実践例
- 快適自己ペース走による感情の変化と運動強度
- 感情の3次元構造論に基づく身体運動特有の感情尺度の作成 : MCL-3尺度の信頼性と妥当性
- 喫煙行動の形成・変容過程に関する考察
- 学生のスポーツ行動の規定要因に関する研究(1) : 心理的・身体的要因について
- 九州大学教養部学生の体力及びスポーツ行動
- スポーツ行動の予測因に関する研究(2) : 身体的・心理的要因について
- 身体運動に対する態度と行動に関する研究
- アスリートの競技引退に関する研究の動向
- 試合中の心理状態の診断法とその有効性
- 快適自己ペース走によるポジティブな感情の変化量を規定する生理心理学的要因
- 競技者の心理的コンディショニングに関する研究 : 試合前の心理状態診断法の開発
- 〈研究資料〉運動中の感情状態を測定する尺度(短縮版)作成の試み : MCL-S.1尺度の信頼性と妥当性
- 〈研究資料〉諸外国及び日本における大学保健体育教育の動向
- 〈研究資料〉軽症高血圧者に対する健康処方の適用と効果に関する研究(第5報) : 中高年者のスポーツの継続条件をさぐる
- 〈研究資料〉軽症高血圧者に対する健康処方の適用と効果に関する研究(第4報) : 運動教室10年間の医学的検査結果について
- 快適自己ペース走時の運動強度を規定する生理心理学的要因
- 血圧及び健康度と生活形態に関する調査研究
- 運動の爽快感とその規定要因(2)
- スポーツ選手の心理的競技能力の「特性」および「状態」に関する研究 : 準硬式野球大会参加選手について
- 快適自己ペース走の再現性の検討
- 精神的健康パターンの分類の試みとその特性
- 血圧・脈拍の変動性および立位負荷に対する反応性
- 大学生の最高血圧およびその変動性に関係する要因
- 九州大学教養部学生の体力の実態と年次推移
- スポーツにおける競技特性不安尺度(TAIS)の信頼性と妥当性
- 健康度と生活習慣からみた健康生活パターン化の試み
- バイオフィードバック時の血圧の反応
- 一過性の運動による感情の変化と体力との関係
- スポーツ行動の規定要因に関する研究 : その方法論的課題
- 運動パフォーマンスに及ぼす自己評価と自己効力感の影響
- 中年婦人の健康処方の適用と効果に関する研究(2) : 健康テニス教室終了後2年間の追跡調査
- 運動によるストレス低減効果に関する研究(1) : SCL尺度作成の試みと運動実施者のストレス度の変化
- か月間のテニスによる身体活動が体力に及ぼす影響
- スポーツ行動の継続化とその要因に関する研究(2) : 大学生の場合
- スポーツ行動の継続化とその要因に関する研究(1) : 婦人テニス教室参加者の場合
- スポーツ選手の競技不安の解消に関する研究(2) : バイオフィードバック・トレーニングによる特性不安への影響について
- 中年婦人の健康処方の適用と効果に関する研究 : 3か月間のテニス教室について
- 健康度診断指標の検討とその関連要因
- スポーツ行動診断検査(DISC.1)の作成
- イリノイ大学の体育・スポーツ
- 若年性動揺性高血圧学生の健康, 体力及びスポーツ活動
- スポーツ行動診断検査の試案
- 幼児の身体発育及び運動能力の発達に関与する要因
- 学生のスポーツ行動の規定要因に関する研究(3) : スポーツ関連要因について
- 中年期女性の更年期症状と運動・スポーツ
- 社会人の健康を規定する要因の研究
- スポーツ行動の予測因に関する研究(1) : 社会学的要因について
- Relationship between Psychological-Competitive Ability and Competitive Performance in Japanese Athletes
- 体育授業の「運動の楽しさ」に関する因子分析的研究
- スポーツ行動の予測因子としての行動意図・態度・信念に関する研究(II) : ランニング実施者と非実施者の諸属性の比較
- 健康度パターンと生活形態の関係に関する研究