<原著>児童の組織キャンプ体験がストレス反応に及ぼす影響 : 認知的評価との関連から

概要

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スポーツ少年団に所属する小学校児童73名(男子56名,女子17名)を対象として,組織キャンプ体験前・後のストレス反応の変化,およびその変化への組織キャンプに対する認知的評価(苦しい-楽しい)の影響を分析し,検討を行った。主な結果は,つぎのとおりである。1. 組織キャンプの体験により,児童のストレス反応の「身体的反応」「不機嫌・怒り感情」に顕著な低下が認められた。しかし,「抑うつ・不安感情」「無気力」においては有意な変化はみられなかった。これらの結果から,組織キャンプの体験が,いくつかのストレス反応の低減に有効であることが示唆された。2. 認知的評価(苦しい-楽しい)に関係なく,組織キャンプの体験によりストレス反応の「身体的反応」「無気力」は有意に低下した。しかし「不梯嫌・怒り感情」は,非好意群(組織キャンプの体験を苦しいものであるという認知的評価をもっ老)の変化が顕著であった。このことから,組織キャンプ体験にともなうストレス反応への効果は,認知的評価が影響を及ぼしている可能性があることが示唆された。
九州大学の論文
2000-02-10