<資料>スポーツ選手に対する心理的競技能力のトレーニングに関する研究(1) : イメージ・トレーニングの予備的調査・実験
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概要
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大学のテニス部員,卓球部員を対象にしてイメージ能力とその利用度についての調査及びイメージ・トレーニングの予備的実験を試みた。その結果は次のように要約できる。1.テニス部員のイメージ能力は男女間には差はみられなかったが,技能別にみると上級者ほど高かった。2.テニス部員のイメージの利用度は全体的には技術や作戦の練習に多く用いられていた。技能別にみると上級者ほど作戦,ファイトを出すこと,目標設定と意欲の向上,試合前の不安や緊張の解消,試合中の不満や怒りの抑制,人間関係の向上,集中力の向上,苦境に耐えることなどの心理的競技能力を養うことに利用している者が多かった。しかし,技術の練習では初級者ほど利用している者が多かった。3.テニス部員のイメージの利用価値は上級者ほど高く評価していた。4.テニス部員へのイメージ・トレーニングでは参加回数の多い者ほどイメージ・トレーニングの効果を認め,参加回数に関係なく,将来の使用意図は高かった。5.卓球部員へのイメージ・トレーニングではイメージ能力の平均値には有意な変化は認められなかった。個人的には10人中,6人が上昇,2人が無変化,2人が下降した。「GSR2」によるバイオフィードバック・トレーニングに高い関心がみられた。6.今後の課題として実験上の条件整備は当然ながら,イメージ・トレーニングの効果の判定方法,方法論(イメージ与え方,回数,場所,時間など),実際場面での利用方法,個人的処方と集団的処方など多くの課題が山積している。
- 1984-03-30
著者
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徳永 幹雄
Institute of Health Science, Kyushu University
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徳永 幹雄
第一福祉大学人間社会福祉学部
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橋本 公雄
Fukuoka Institute of Technology
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