大型の薄型高高度気球 (BT 120-1)
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概要
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宇宙科学研究所気球工学部門は, 1991年より重量10kg以下の科学観測機器を高度40km以上まで飛翔させる気球の開発・製作を行っている。高高度まで気球を飛揚させるためには, 気球本体の自重を如何に軽くし, 気球飛翔環境に耐える大容積の気球を製作できるかにかかっている。また, 気球にダメージを与えず安全に放球できる放球方法の開発も重要となる。1995年には, 従来のフィルムの三分の一の厚さである5.8μmの超薄型ポリエチレン・フィルムを用いて, 気球容積30,000m^3を製作し, 高度47.8kmまでの飛揚に成功した。さらに本年度, 50km以上の気球高度をめざし, 従来の最大容積の4倍である120,000m^3の気球(BT 120)を開発・製作し, その飛翔性能試験を行った。この気球は長さが92.4mで, 気球製作には高度な技術と品質管理が必要であるが予想最高高度の50.2kmに到達した。これまでこの領域での観測は小型ロケットによるものであったが, 今回の成功により, 経費が少なく手軽に放球できる軽量気球でもこの領域での観測が可能となったことになる。気球の飛翔中の様子はCCDカラービデオカメラ画像伝送装置を通して地上でリアルタイムで鮮明に観察することができた。また, 気球破壊強度を調べるため気球内の圧力を測定し期待した結果を得た。気球高度の測定は正確性を考慮し, 測距用トランスポンダおよびGPS受信機で行った。ここではBT 120気球の飛翔実験について結果を含めた報告とする。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
-
太田 茂雄
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
鳥海 道彦
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
並木 道義
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
松坂 幸彦
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
山上 隆正
宇宙科学研究所
-
並木 道義
宇宙科学研究所
-
太田 茂雄
宇宙科学研究所
-
松坂 幸彦
宇宙科学研究所
-
鳥海 道彦
宇宙科学研究所
-
廣澤 春任
宇宙科学研究所
-
槇野 文命
宇宙科学研究所
-
太田 茂雄
宇宙科学研究所気球工学部門
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