飛翔中のコマンド受信機の動作電波環境

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現用のコマンド受信機モデルが旧型となり新しいモデルを開発した機会に, 飛翔中の受信強度を出力しテレメータでモニタできる機能を付加した。この新しい機能により, いくつの気球実験で飛翔中の受信強度が詳しく観測された。その結果, 以下の事実が判明した。(1) 海上を遠距離まで飛翔する場合, 海面反射波との干渉による効果は大きく, 受信マージンに影響すること。(2) 地上通信局の真上近くを飛翔する場合, 送・受アンテナの指向方向および偏波面の不一致による電界強度の低下が大きいこと。(3) 外来電波と思われる信号は存在するが, 観測された一例では, 強度は弱く持続時間も短く, 影響は小さいと思われること。こうした, 観測データにより, コマンド受信機が搭載機器からのノイズで抑圧を受ける場合の合理的な許容値を決めることができた。そこで, コマンドシステムが放球可能な性能を保持しているか否かを判定するために, 放球場で抑圧量を簡便かつ正確に測定する方式を考案し実施したところ良好な結果を得た。観測された受信データから明らかになった上記3点とフィールド測定法を示し, コマンドシステムの信頼性の向上に寄与していることを述べる。
宇宙航空研究開発機構の論文

飛翔中のコマンド受信機の動作電波環境

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