大型放球装置を使用した大気球の放球
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概要
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宇宙科学研究所三陸大気球観測所では,スタティック放球方式の一種である立て上げ放球方式を用いて,数多くの大気球の放球を成功させてきた。近年,大型気球の需要が高まり,放球方法の改善と放球場の拡張が必要となっていた。1998年に我々は,新しい大型気球放球装置を用いた放球方法であるセミ・ダイナミック放球方式を開発した。この放球方式は,ガス注入後,ローラー車から気球を解放することによって一気に気球を立て上げ,気球が,観測器直上を固定している大型放球装置の直上にきたとき,大型放球装置から観測器を解放する,という手順で放球を行う。徐々に立てあげていた従来の方式と比べて,ローラーで立て上げて行くときに皮膜を傷つける心配がなくなること,放球作業の時間短縮ができることが利点である。1998年(平成10年)に,飛揚場の先端部分を20m延長し,その延長したほぼ中心部に直径 6 mの回転テーブルを備えた大型気球放球装置を製作した。本ランチャーは,回転テーブルに固定されており,放球時の風向きに合わせて旋回する事が出来る。また,ランチャーに備えた昇降装置により,地面から高さ5mまで観測装置を持ち上げることが可能である。これにより,B1000クラスの大型気球の放球が可能となった。1999年9月6日にこの大型気球放球装置を用いて,最初のテスト気球を放球することに成功し,放球方法および装置の有効性が確認された。
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
-
本田 秀之
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部
-
山上 隆正
宇宙航空開発機構
-
太田 茂雄
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
鳥海 道彦
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
並木 道義
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
松坂 幸彦
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
井筒 直樹
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所
-
太田 茂雄
宇宙科学研究所
-
斎藤 芳樹
東大理
-
平山 昇司
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部
-
広沢 春任
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
井筒 直樹
JAXA
-
松本 敏雄
名古屋大学理学部
-
廣澤 春任
文部省宇宙科学研究所
-
広澤 春任
宇宙科学研究所
-
鳥海 道彦
文部省宇宙科学研究所
-
松坂 幸彦
文部省宇宙科学研究所
-
並木 道義
文部省宇宙科学研究所
-
内田 右武
文部省宇宙科学研究所
-
平山 昇司
文部省宇宙科学研究所
-
太田 茂雄
文部省宇宙科学研究所
-
山上 隆正
文部省宇宙科学研究所
-
井筒 直樹
文部省宇宙科学研究所
-
本田 秀之
文部省宇宙科学研究所
-
小松 俊郎
文部省宇宙科学研究所
-
齋藤 芳隆
文部省宇宙科学研究所
-
松本 敏雄
文部省宇宙科学研究所
-
兒玉 康資
ダイコー株式会社
-
本間 容博
ダイコー株式会社
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