薄膜型高高度気球の新放球法(パッキング放球方式)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
宇宙科学研究所気球工学部門は,極めて薄いポリエチレンフィルムを用い,重量10kg程度の科学観測機器を高度40km以上まで飛翔させる気球の開発・政策を行っている [1,2,3,4,5,6,7]. 薄膜型高高度気球を予定高度まで飛揚させるためには,気球に損傷を与えず安全・確実に放球できる放球方法の開発も重要な問題である.薄膜型高高度気球の放球法には,従来から一般的に用いられているダイナミックランチング方式と気球を短く折り畳んだ形で地上に配置し,放球するスタテックランチング方式がある.しかし,これらの放球方式は放球時の風の方向や強さによって放球の正否が決まる. この気球は非常に薄いフィルムで作られているため,放球時の風速は2m/秒以下が望ましく,当然放球の機会は限られる. 今回,開発した新しい放球方法は,狭い場所でも,多少風があっても簡単に,少ない人数で放球が可能な放球方式であり,我々はこの放球方法をパッキング放球方式と呼んでいる. この方式は,規定浮力分のヘリウムガスを注入する気球頭部以外の部分を畳んだ状態で包み込んでおき,上空で包み込んだ気球部分の伸長を行うため,気球下部の長さを無視して放球することができる画期的な放球法である.
- 宇宙航空研究開発機構の論文
著者
-
山上 隆正
宇宙航空開発機構
-
太田 茂雄
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
鳥海 道彦
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
並木 道義
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
松坂 幸彦
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部
-
井筒 直樹
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所
-
太田 茂雄
宇宙科学研究所
-
井筒 直樹
JAXA
-
鳥海 道彦
文部省宇宙科学研究所
-
松坂 幸彦
文部省宇宙科学研究所
-
並木 道義
文部省宇宙科学研究所
-
太田 茂雄
文部省宇宙科学研究所
-
山上 隆正
文部省宇宙科学研究所
-
井筒 直樹
文部省宇宙科学研究所
関連論文
- 新しい気球管制冗長系テレメータ・コマンドシステムの開発(大気球研究報告)
- 第2回南極周回飛翔宇宙線観測実験 : BESS-Polar II 報告(大気球研究報告)
- PLDによる気球搭載PCMコマンドデコーダの開発(大気球研究報告)
- 大樹航空宇宙実験場における新しい大気球実験場
- 26aSF-9 気球搭載硬X線撮像実験SUMIT : 計画概要と2006年フライト報告(26aSF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 26aSF-10 気球搭載硬X線撮像実験SUMIT : 多層膜スーパーミラー硬X線望遠鏡(26aSF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 26aSF-12 気球搭載硬X線撮像実験SUMIT搭載焦点面検出器SD-CCDの開発(26aSF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 22pSH-13 気球搭載硬X線撮像実験SUMIT : 2006年フライト準備状況(22pSH X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- PPB8号機とPPB10号機によるオーロラX線の同時観測
- 南極周回気球(PPB)に搭載した磁力計システムによる磁場観測実験(大気球研究報告)
- BESS-Polar:南極周回飛翔・超伝導スペクトロメータによる宇宙起源反粒子の精密探査
- 28pTF-8 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発V : モニターカウンターの性能(28pTF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 成層圏における微生物採集
- サブミリ波によるHO_2の日変化観測
- スーパープレッシャー気球の開発と試験
- 26pSF-7 硬X線偏光度検出器PHENEXによるカニ星雲の偏光観測結果(26pSF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 26pSF-8 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発X : 斜め入射による検出器の応答(26pSF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 23aSH-1 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発VI : かに星雲の偏光観測実験概要(23aSH X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 23aSH-3 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発VIII : 検出器の性能(23aSH X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 28pSD-2 気球搭載用硬 X 線偏光度検出器の開発(X 線, 宇宙線)
- 28aZE-1 オートスキャンによる一次電子観測用ECCの解析(4)(化学組成,空気シャワー)(宇宙線)
- 27aZK-9 PPB-BETSにおける高エネルギー電子観測(宇宙物理)(宇宙線)
- 熱圏下部および中間圏探査用強制開傘型パラシュートシステムの開発
- 南極周回気球 (PPB)
- 第30次南極地域観測隊(1989-1990)におけるPPB実験結果の 一考察(英文)
- 日中大洋横断気球実験 : 第 2,第 3 年度の実験と 3 年間のまとめ
- 南極周回気球(PPB)将来計画1991-1993
- ガスジェットによる大型ゴンドラの方向制御
- 遠距離長時間観測用追尾受信装置
- 日中大洋横断気球
- 大型実験体による無重力実験
- 新ブーメラン気球
- 大気球による無重力実験
- リレー気球
- 2003年南極周回気球実験(大気球研究報告)
- 23aSH-4 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発IX : データ取得とテレメトリ・コマンド送受信システム(23aSH X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 28pTF-6 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発III : 開発の進捗状況(28pTF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 28pTF-7 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発IV : 主検出器の性能(28pTF X線・γ線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 2004年南極周回気球実験(大気球研究報告)
- 高高度気球用2.8μm厚フィルムの開発(大気球研究報告)
- B500型気球の放球と飛翔(大気球研究報告)
- 超薄型高高度気球の開発 (BT1-3)
- 低高度宇宙通信実験システム
- 大型の薄型高高度気球 (BT 120-1)
- エバール気球
- D159 第44次日本南極地域観測隊によるオゾンホール観測(中層大気)
- サブミリ波による成層圏O_3,ClOの観測(大気球研究報告)
- 15aSA-3 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発II(15aSA X線・γ線 : X線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 15aSA-2 硬X線偏光度検出器PHENEXの開発I(15aSA X線・γ線 : X線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 南極域での大気硬 X 線の強度変動
- サブミリ波による成層圏O_3およびHClの観測(大気球研究報告)
- 音響光学素子を用いた気球搭載用小型分光器の開発(大気球研究報告)
- ブラジルにおける大気球実験 : 1991 年度の報告とまとめ
- 28pSD-17 CALET開発報告13 : 気球実験用プロトタイプ検出器の性能(28pSD 高・超高エネルギー宇宙線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 27pXB-10 PPB-BETSのCERN-SPSによる性能テスト
- 23aTG-12 シミュレーションによる南極周回気球搭載用電子観測装置(Polar BETS)の開発
- 23aTG-10 宇宙用イメージ・インテンシファイヤー振動試験結果報告
- 23aTG-8 BETSによるバルーン高度でのガンマ線フラックスの観測'99、2000年
- BETS による 10GeV から 100GeV 領域での電子エネルギースペクトルの測定
- GPS 搭載型光学オゾンゾンデの開発
- 15aSA-4 気球搭載用硬X線偏光度検出器の開発(15aSA X線・γ線 : X線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 21pZB-1 BESS-Polar II PMT用気密容器の開発 : 低温低圧動作試験(21pZB 光検出器・v検出器・ビームライン,素粒子実験領域)
- 22pZK-11 BESS-PolarII実験 : 南極二周回飛行に向けた超伝導マグネットの開発と性能評価(22pZK 高・超高エネルギー宇宙線,宇宙線・宇宙物理領域)
- 22pZK-10 BESS Polar-II実験 : 概要と準備状況(22pZK 高・超高エネルギー宇宙線,宇宙線・宇宙物理領域)
- ETS-V を用いた大気球データ通信実験
- 高い耐圧性を有する気球の設計原理と飛翔テスト
- 3次元ゴアデザインによるスーパープレッシャー気球の開発
- 飛翔中のコマンド受信機の動作電波環境
- プログラムブーメラン気球
- ブーメラン気球 II
- B_-1号機飛しょう性能試験
- 気球用巻下げ機
- 新しいコマンドシステムについて
- BETS-2 による高エネルギ : 電子観測
- 気球によるグライディングパラシュート飛翔制御試験
- 気球ゴンドラの方位角制御の不安定要因とその安定化
- 大気球移動観測車
- 南極周回気球による高エネルギー電子の観測 (大気球研究報告)
- 気球上昇計による気球高度オートコントロール
- 27pXB-12 第2フェルミ加速による宇宙線電子スペクトルの変化
- 太陽変調による銀河宇宙線電子スペクトルの変化
- 気球切離しコマンド機能の二重化 : 航空保安用コマンドシステムの開発
- 南極周回気球に搭載したハウスキーピング機器の結果
- 長時間フライト(パトロール気球)
- パトロール気球
- プログラムブーメラン気球II
- 南極周回気球による高エネルギー宇宙電子線の観測(最近の研究から)
- アルゴスシステムの気球利用試験
- ノルウェーにおけるオーロラ X 線の観測(1985 年)
- GPSアルゴスシステム
- BESS-Polar : 南極周回気球実験による宇宙線反陽子の精密測定
- 南極域での大気硬X線の磁気地方時依存性
- 大気ニュートリノ・フラックス計算較正のためのBETSによる大気ガンマ線の観測
- BESS実験による宇宙線反陽子流束の測定
- 超薄型高高度気球による世界最高気球高度記録の達成(BU60-1)
- 高エネルギー宇宙線一次電子と大気γ線の観測
- 超薄膜型高高度気球の開発(BT'30-1)
- ドップラー音波レーダー
- 大型放球装置を使用した大気球の放球
- 薄膜型高高度気球の新放球法(パッキング放球方式)