太陽変調による銀河宇宙線電子スペクトルの変化

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宇宙線電子は太陽磁気圏内で, 太陽磁場の影響を受けその強度は減少する。その割合は電子のエネルギーによって変化するが, ISEE3/ICE衛星による経年変化の観測によると, 最大強度と最小強度は5.8GeVにおいて3倍程度の差がある。したがって, BETSによる10GeV領域の電子観測においても, 太陽変調の影響は無視できないと考えられる。ここでは, 現在までの電子観測値と太陽変調のForce Field近似を使って, 太陽変調パラメータと観測時のClimax中性子モニターの値との間に成り立つ関係式を求めた。その結果, 太陽磁場の極性が異なるA^+とA^-期において, 関係式は明らかに異なり, その差は1980-90年代において顕著であり, 1960-70年代では小さいが, 両時代ともに差がみとめられた。また得られた関係式から, 三陸で行われたBETS観測時における太陽変調の大きさはBETS97においては420MV, BETS98においては630MV程度と推定される。太陽変調の値を求める際に仮定した電子の星間スペクトル値から, 銀河磁場の大きさを推定した。その結果, 極方向の磁場の大きさは観測のeffective path lengthを1.2kpcとするとB_⊥=5.2-5.7μGとなり, 逆中心方向においてもほぼ同じ値を与える。また, 一様磁場を2∿3μGとすると, ランダムな磁場は1.5∿3倍程度大きい事がわかった。
宇宙航空研究開発機構の論文

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