ペプシン処理分離大豆たん白質食のラット肝機能および胆汁酸濃度への影響(農芸化学部門)

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植物性たん白質(主に大豆たん白質)は動物性たん白質(主にカゼイン)に比べて, 血清コレステロール濃度低下作用を有していることが知られている。著者らは先に, 分離大豆たん白質をペプシンで限定水解することによって, その作用を強めることを発見した。大豆たん白質の血清コレステロール濃度低下作用メカニズムを解明するため, コレステロール代謝を考慮すると, 肝臓および小腸の機能を検討することが重要である。本研究は, 分離大豆たん白質食, ペプシン処理分離大豆たん白質食および市販固型食を用いてラットを飼育し, 食餌たん白質のラット肝機能におよぼす影響を比較検討し, 更に, 肝臓および小腸での胆汁酸濃度, 血清遊離アミノ酸パターンを測定した。肝機能を推定するため, 血清中のGlutamate Oxaloacetate Transaminase, Glutamate Pyruvate Transaminase, Lactate Dehydrogenase, Leucine Aminopeptidase, Alkaline Phosphataseの活性を測定した。その結果, 供試食餌たん白質では肝細胞の破壊や胆汁流出障害は観察されなかった。また, 肝内胆汁酸濃度と血清コレステロール濃度とは比例していたが, 小腸胆汁酸濃度には相関がなかった。すなわち, 血清コレステロール濃度調節機構の解明には, 肝機能を更に検討することの必要性が示された。また, トレオニンが, コレステロール代謝と最も関連深いアミノ酸であることが明らかにされた。
京都府立大学の論文
1984-11-15

ペプシン処理分離大豆たん白質食のラット肝機能および胆汁酸濃度への影響(農芸化学部門)

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