鶏卵白中のシアル酸に関する研究(農芸化学部門)

概要

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鶏卵白から硫安分別法によって調製した粗オボムチンから, N-acetylneuraminic acidを単離, 同定する研究を行なった。粗オボムチンから結合型シアル酸を遊離させるための, 加水分解条件を検討した結果, 0.1N硫酸, 80℃, 1時間の条件が最も効果的で, 加水分解回数も2度行なえば充分であることが確認された。この条件以上の硫酸濃度および温度では, かなりのシアル酸の分解がおこることが認められた。シアル酸の分離精製に用いたDowex 1(HCOO-型)樹脂の再生方法を検討し, 能率の良い簡易法を見出した。従来の再生方法とこの簡易法の併用により, 短時間で樹脂の再生を行なうことができた。粗オボムチンから, 白色針状結晶のシアル酸を得たが, 操作中の損失は最大限15.7%であり, 粗オボムチン中のシアル酸含量は, アルカリTBA法で測定して, 約0.5%であった。この結晶シアル酸は, すべての比色定量法に陽性であり, ペーパークロマトグラフィー, 赤外吸収スペクトル, X線回折スペクトルをみたところ, N-acetylneuraminic acidの標準品と全く一致した。過沃素酸消費量は, シアル酸1モル当り5モル, フォルムアルデヒド生成量はシアル酸1モル当り1モル, アセチル基をシアル酸の1モル当り1モルを含み, グリコール基は検出されなかった。
京都府立大学の論文
1966-09-01

鶏卵白中のシアル酸に関する研究(農芸化学部門)

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