(第 4 報)馬の脾臟鉄蛋白について(生体内の鉄及び含鉄成分に関する研究)

概要

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(1) 電気泳動分析によつて, 0.9% NaCl soluble及びwater solubleなhorse spleen proteinはcomponent I. II. III. IVから成り立つていることを確認した。(2) Component I. II. III. IVのmobilityを4℃, N/10 phosphate buffer solution (ionic strength μ=0.1,pH=8.0)に於て測定算出した。(3) horse spleen proteinからferritinを分別単離するには, その食塩抽出液及び水抽出液を50℃で10分間熱処理した後, 食塩或は硫安の分別沈澱を行えばよいことを確認したと同時に前処理を行わずに, 直接硫安による分別沈澱のみを行つてもferritinは得られることを確めた。(4) 分離したferritinは電気泳動的に均一であり, そのmobilityは4℃, N/10 phosphate buffer solution (μ=0.1 pH=8.0)に於て-6.2×(10)^<-5>(cm)^2 (volt)^1 (sec)^<-1>であり, その鉄含有量は, 蛋白中21.21%であつて然も全部の鉄がferric stateであることを確認した。(5) 著者等によつて分別された, horse spleen proteinはferritinとcomponent IIを除いて他はdi-及びtri-component proteinであつた。(6) 50℃10分の加熱処理によつて, component I. II. IVは不可逆的に凝固し, component IIIは凝固せぬことを確認した。
京都府立大学の論文
1952-03-01