Conalbumin に関する研究 (2)

概要

論文の詳細を見る
(1) Conalbuminは硫安塩析法によつて酸性で単離した場合, 単離の操作のうちに生の卵白では認めることのできないいくつかのmodificationを形成し, そのmodificationはいずれもmediumのpH値によつて他の型へ移行する可能性をもつている。(2) modificationの各々を夫々C_1,C_2,Cmと名付けると, C_1は電気泳動的に生卵白中のConalbuminと同じ行動をする。(3) CmはpH3.1乃至pH7.7の緩衝液で透析すると, 次第にC_1又はC_2に移行するのであるが, この透析はpHがあまり高いと効果が少い。(4) C_1とC_2との成分組成はpHに関する量的平衡を保ちpHが低い時はC_2が, 高い時はC_1が夫々大きい組成を占め, 等電点はC_1=pH6.2,C_2=pH6.6であつた。(5) Ovomucoidは黄色色素(flavin色素)と結合する性質を有することを確認した。(6) 卵白の黄色色素蛋白の黄色色素はfreeのriboflavinであり, その蛋白部分はovomucoidであることを分光分析, 電気泳動分析, ペーパークロマトによつて確認した。(7) Ovomucoidとflavin色素との結合割合は, 卵白から分別した黄色色素蛋白ではovomucoid 1 mol当riboflavin 1 molであつたが, ovomucoidとriboflavinを結合させると最高1 mol対4 molの割合で結合することを確認した。
京都府立大学の論文
1957-09-01