非病原性大腸菌門脈内注入による実験的肝門脈線維症
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概要
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実験的に特発性門脈圧亢進症(IPH)類似の病変を作製せんとした.非病原性大腸菌感作家兎に同菌と感作家兎血清凝集液(A群),又は大腸菌(B群)を門脈内へ,大腸菌を耳静脈(E群)へ各々3回注入した群,大腸菌を耳静脈より隔日注射した(I群)等を作製した.各実験群共に同程度の脾重量増加をみた.肝組織所見にてA群では門脈域線維増生,つぶれ,異常血行路出現等,人IPH類似の変化を認め他群に比し程度は強く,線維増生はA, B群の方がE,I群に比し強い傾向にあった.A群では門脈圧亢進を認め,門脈像にて肝内分枝数の減少,断裂をみた.以上の条件より人IPH類似の病態を家兎に作製し得,IPHの成因の1つとして非病原性大腸菌のような毒性がほとんどなく抗原性をもつ細菌の長期の感作,門脈系への反復流入による門脈の障害,脾を中心とする間葉系の免疫学的活性化等を考える必要があると思われる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
奥田 邦雄
千葉大学第1内科
-
武者 広隆
国立千葉病院内科
-
武者 広隆
国立千葉病院 消化器科
-
河野 邦彦
千葉大学医学部第一内科学教室
-
大西 久仁彦
千葉大学第1内科
-
小俣 政男
千葉大学第1内科
-
河野 邦彦
千葉大学第一内科
-
斉藤 正之
千葉大学第1内科
-
中山 隆雅
千葉大学第1内科
-
波多野 等
千葉大学第1内科
-
河野 邦彦
千葉大学第1内科
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