肝硬変の予後 : 予後に影響する諸因子の解析と死因の検討
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概要
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昭和41年1月より56年7月までの期間に千葉大学第一内科に入院し,肝硬変(LC)と診断され,その後経過観察の出来た287例の予後について検討した。診断後,3年及び5年の実測生存率は71%及び56%であった。最近の傾向として,一般肝機能検査の普及により,代償期で発見されるLCの増加が著明で,生存率も改善傾向を認めた。死因としては,上部消化管出血(29.5%),肝不全(25.3%),肝細胞癌(HCC:10.5%)が主な原因で,HCCの着実な増加が注目された。HCCとHBs抗原の関係を見ると,HBs抗原陽性LC群より9.7%,HBs抗原陰性LC群より6.1%,全体として6.3%に経過観察中にHCCの発生を見た。LCの予後に飲酒(10年以上,毎日3合以上)の与える影響を見ると,診断後の生存率は断酒群に比べ,飲酒継続群で悪化を認め,社会生活面での悪影響も生じていると考えられた。又,飲酒歴を有しかつHBs抗原陽性のLC群はその予後が特に不良であった。合併症のLCの予後に与える影響では,インスリン使用を必要とする糖尿病を合併したLCの予後は不良であったが,胃・十二指腸潰瘍や胆石症の合併は予後悪化の因子とは考えられなかった。肝機能・血液検査値と予後の関係を調べると,GOT/GPT≧2.0,γ-globurin≧2.39/dl, albumin<3.5g/dl, total billirubin≧2.Omg/dl, indocyanine green血中15分停滞率≧40%, prothronbin time≧13.0秒,血小板数<10^5/mm^3,肝内shunt率≧30%等の検査値を有するLCの予後は不良で,日常診療にあたり注意すべき検査値と考えられた。
- 千葉大学の論文
著者
-
奥田 邦雄
千大・一内
-
大西 久仁彦
千葉大学医学部第一内科学教室
-
奥田 邦雄
千葉大学医学部第一内科学教室
-
斉藤 正之
千大・一内
-
斎藤 正之
千葉大学
-
大西久 仁彦
千大・一内
-
波多野 等
千葉大学医学部第1内科学教室
-
斉藤 正之
千葉大学医学部第1内科学教室
-
岩間 章介
千大・一内
-
武者 広隆
国立千葉・内科
-
中嶋 征男
千葉大学医学部第一内科教室
-
武者 広隆
国立千葉病院内科
-
中山 隆雅
千葉大学医学部第一内科教室
-
檜山 義明
千葉大学医学部第一内科教室
-
土屋 聖二
千葉大学医学部第一内科教室
-
岩間 章介
千葉大学医学部第一内科教室
-
大槻 俊夫
千葉大学医学部第一内科教室
-
河野 邦彦
千葉大学医学部第一内科教室
-
土屋 聖二
沼津市立
-
中山 隆雅
中山内科クリニック
-
中山 隆雅
千葉大学
-
奥田 邦雄
千葉大学医学部第1内科
-
武者 広隆
国立千葉病院 消化器科
-
檜山 義明
川鉄千葉
-
土屋 聖二
千葉大学医学部第一内科学教室
-
波多野 等
千葉社会保険
-
河野 邦彦
千葉大学医学部第一内科学教室
-
中嶋 征男
千葉大学医学部第一内科学教室
-
河野 邦彦
千葉大学医学部第1内科
-
大槻 俊夫
千葉大学医学部第一内科
-
中山 隆雅
千葉大学医学部第一内科
-
岩間 章介
千葉大学医学部第1内科
-
中嶋 征男
千葉大学医学部第1内科
-
大西 久仁彦
千葉大学医学部第1内科
-
土屋 聖二
千葉大学医学部第一内科
-
奥田 邦雄
千葉大学医学部 第一内科
-
中山 隆雅
千葉大学医学部第1内科
-
波多野 等
千葉大学医学部第1内科
-
斉藤 正之
千葉大学医学部第1内科
-
土屋 聖二
千葉大学医学部第1内科
-
大槻 俊夫
千葉大学医学部第1内科
-
檜山 義明
千葉大学医学部第一内科
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