経皮経肝的門脈造影法について : 2種の異なる核種で標識したMAAを本法により注入して行う肝内外短絡率測定法について

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概要

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経皮経肝的門脈造影法を応用し,異なる核種で標識したMAAを用い,肝内,肝外短絡率を同時に,しかも区別して測定する方法を開発し,肝硬変症14例,特発性門脈圧亢進症及び肝内胆汁うっ滞症各1例,脂肪肝2例の計18例に施行した.その結果,肝内短絡率は肝硬変症1.6〜78.4%,特発性門脈圧亢進症4.6%,肝内胆汁うっ滞症1.0%,脂肪肝4.2〜5.4%であった.肝外短絡率は肝硬変症0〜49.9%,脂肪肝1.5%であった.肝内短絡率は肝不全の予知,予後推定に役立つと共に,手術適応の決定にも有用と考えられる.肝外短絡率は食道静脈瘤の認められる群では認められない群に比し高値をとる傾向があり,副血行路の太さ,血流状態の程度とは良い相関を示した.本方法は同時に圧測定や門脈造影も出来,門脈血行動態の検索には優れた方法であり,門脈圧亢進症に対する手術術式の選択に有用な情報を提供すると考えられる.
社団法人日本肝臓学会の論文

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