脂肪肝における限局性低脂肪化巣の臨床的意義
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概要
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脂肪肝の実質内に,超音波所見上孤立性肝腫瘍との鑑別を要する限局性低エコー域を認めた22例について検討し,その臨床的意義を明らかにした.これら低エコー域の局圧部位は,肝臓の臓側面の胆嚢近傍から左葉にかけての特定の区域内に認められた.<BR>超音波映像下の選択的生検ならびに切除例の病理組織学的検索から,これら低エコー域が,脂肪肝実質内にみられる限局性低脂肪化巣であることを証明した.又この限局性低脂肪化巣は,超音波所見上また病理組織学的にもその中心を門脈枝が走り,辺縁を肝静脈が境して,血管区域性にみられることから,その成因には局所肝血流の関与が強く示唆された.<BR>臨床的には,限局性低脂肪化巣は肝癌との鑑別が重要であり,病理組織所見のみならず,超音波所見でも明らかな特徴をもつことから,これを区域性腫瘍様徴候(segmental pseudotumor)と呼ぶことを提唱した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
-
奥田 邦雄
千葉大学第1内科
-
税所 宏光
千葉大学第1内科
-
岩崎 勇
千葉大学第1病理
-
大藤 正雄
千葉大学第1内科
-
土屋 幸浩
千葉大学第1内科
-
木村 邦夫
千葉大学第一内科
-
広岡 昇
千葉大学第1病理
-
飯野 康夫
千葉大学第1内科
-
品川 孝
千葉大学第1内科
-
常富 重幸
千葉大学第1内科
-
木村 邦夫
千葉大学第1内科
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