超音波パルスドップラー血流計による門脈血流量の測定 : 超音波トランジットタイム血流計との比較

概要

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超音波パルスドップラー法にて門脈血流量を非侵襲的にかつ正確に測定できるか否かを知るために,全麻下の7匹の成犬で門脈血流量をduplex system及び平均血流量を正確に測定できる超音波トランジットタイム血流計で同時測定した.この際vasopressin, dobutamine, prostaglandin E1注入により平均門脈血流量を85ml/min〜590ml/minに変動させた.メカニカルセクタスキャンとパルスドップラー血流計からなるduplex systemによる門脈血流量の測定に際しては,門脈の断面積とドップラー偏移周波数を記録した.門脈血流速度を3心拍の平均化した最大ドップラー偏移周波数から求め,門脈血流量(=門脈血流速度×断面積)を求めた.duplex systemにて求めた門脈血流量(X)は,超音波トランジットタイム血流計によって求めたそれ(Y)の約2倍を示したが,有意の1次相関を示した(Y=0.56X+2.0, n=31, r=0.996).以上よりduplex systemは,門脈血流量を非侵襲的に,正確に測定しうると考えられた.