粗飼料の分割給与が乳牛の採食速度におよぼす影響

概要

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乳牛に粗飼料の定時給与を行なうと,最初はもっとも速く採食し,以後徐々に食べ方が遅くなることはすでに報告したが,この採食速度変化の主要因を明らかにするため,ホルスタイン種乾乳牛を使って3種の実験を行なった、飼料は乾牧草または青刈牧草で,1日3回の定時給与を行ない,その間の採食速度を連続記録した.1回分の飼料を1度に給与した期と,2回ないし4回に分割給与した期との採食速度比較から得た結果は次のとおりである.1) 採食速度は給飼直後にもっとも速く,以後漸減する現象が再確認された.また,分割給与時の前•後帯それぞれの採食速度にも同様の傾向がみられた.2) 青刈牧草では,2分割給与時にも4分割給与時にも,その各部にこの採食速度の低下がきわめて明瞭にあらわれ,採食初期ほど速く食べる性質が強く示された.3) 1度に1回分の乾草を与え,一定量を採食した時に残量を飼槽から取出し,10分後に再び飼槽に入れた場合も,その直後に採食速度のピークがみられ,給飼の心理的な刺激が他の要因よりも採食速度のパターンに大きな影響を与えるものと推察された.
社団法人日本畜産学会の論文