体温計測による乳牛の分娩時期予測について

概要

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分娩前の体温の変化から乳牛の分娩時期を予測する方法の適用性を検討するため,315例の分娩牛について,予定日の7日前から午前8時と午後4時の1日2回,直腸温を計測した。体温が妊娠末期に上昇し,分娩1〜2日前に低下する経過は従来の報告とほぼ一致した。分娩前24時間以内に朝の体温が38.5℃以下,午後の体温が39℃以下に低下したものは分娩牛中それぞれ42%および68%,分娩前48時間以内では68%および88%であった。また,最終計測で前日同時刻から0.5℃以上および0.3℃以上の体温低下がみられたのは,朝の体温で30%および54%,午後はそれぞれ55%および77%になった。したがって,朝よりも午後の計測値を利用した方が高い予測的中率を得られることが明らかになった。午後の体温をとり,基準を39.0℃以下および前日より0.5℃以上の低下の2つにすると,そのいずれかに達したものは24時間以内に72%,48時間以内には92%が分娩しており,この方式がもっとも確率の高い予測方法と考えられる。分娩前体温低下と産次,分娩月,在胎日数,分娩時刻,子の性および体重,難産および分娩後の故障などとの間には有意な関連が示されなかった。
帯広畜産大学の論文
1982-11-25